2018年の選抜、その男は一気にその名が広がった。準々決勝・智辯和歌山戦で先頭打者、そしてサヨナラ弾を放った明石商来田 涼斗。同級生・中森 俊介とともに2020年のドラフト戦線を牽引するスラッガーは、さらなる成長のためにどういった課題と向き合ってきたのか。


最大の課題・タイミングへの取り組み


  昨秋の近畿大会準々決勝・大阪桐蔭の前に敗れた明石商。試合には3対4というスコアだったが、来田は2つ四球を選び、2打数1安打2打点と結果は残した。それでも昨秋を通じて懐への対応力には課題を感じていた。

 「秋の大会の映像を見返すと、前のめりになってしまうところがありました。それだとインコースが打てなかったので、修正する必要がありました。ですので、冬場はバッティング練習をするときに姿勢を正すところから始めました」

 その上で、来田は一番の課題・タイミングに対して正面から向き合っていた。

 「いかに自分の形で打てるか。そこを大事にして練習をしていましたが、基本的にはすり足でタイミングを取るようにしていたと思います。足をあげないことで目線のズレがない分、真っすぐも変化球にも対応することができました」

 すり足にした結果、3月からの練習試合でも結果を残すことができ、来田の中では「多少、手ごたえを感じていました」と自信を深めながら4度目の甲子園に向けて調整を続けてきた。

 だが、今回の事態を受けて選抜は中止。練習も自粛となり、自主練習を余儀なくされた。

 「まずは体力を落とさず、むしろレベルアップできるように自粛期間は毎朝7時からランニングをすることから始めました。長距離を走るだけではなく、近くの浜辺に行ってダッシュを10~20本走って、9時には自宅に戻って練習をしていました」

 この自粛期間は半日以上野球に取り組む日々を毎日繰り返した。このタイミングで3歳上の兄も自宅に戻っており、その兄と弟の3人で練習をしていたとのこと。特に「兄と練習をするのは久々でしたので、懐かしかったです」振り返った。

 だが、この時期の過ごし方が来田の中では大きかった。