目次

[1]データ面から自分を整理することが「プロとして意識が高い選手」
[2]主将就任もプラスに変えて。現在の課題を乗り越え、日本一達成を

 大学生ナンバーワン左腕と目される早川 隆久(早稲田大 木更津総合出身)。前編では東京六大学野球で感じた洗礼を糧にしてレベルアップする様子を描いたが、後編では小宮山監督のアドバイスからどう生かしていったのか。そしてラストイヤーの意気込みに迫っていきたい。

前編はこちらから!
大学でも攻略困難な左腕になるために 早川隆久(早稲田大)が下級生時代の洗礼から得たもの【前編】

データ面から自分を整理することが「プロとして意識が高い選手」


 早川 隆久にとって小宮山悟監督の就任は投手としてレベルアップする大きな出会いとなった。早川は小宮山監から登板した試合をデータ的に振り返るアドバイスをいただいた。
 「たとえば土日のリーグ戦で投げた試合の分析を行っています。映像を振り返りながら投球フォームを見て、自分が見ても気づいていない癖をデータ班のスタッフとともにチェックしています」

 そうすることで、いろいろ気づきが感じられた。この行動はプロとして勝負していくには大事な行動だと教わった。
 「監督からは自分の良い点、悪い点を区別しないとステップアップにつながらないよとアドバイスをいただきました。『そういうふうに自分から気づいて、行動に変えられることがプロとして意識が高い選手だよ』と教わって。プロで長年経験している監督さんの経験を与えてくれて、成長できています」

 振り返りの作業を習慣化することは、言葉にすると簡単なようだが、なかなか難しいものだ。早川にこの作業ができたのは、下級生の時から野球ノートをとっており、練習、試合の振り返りをやっていたことだ。

 小宮山監督のアドバイスで、振り返りの仕方がアップデートしたということだろう。早川はデータとして整理することで試合の準備に入っていきやすいと語る。
 「自分の中でデータ面まで整理することができれば、いざ試合に入ったとき、整理ができる。準備がないとてんぱってしまう急いでしまうので、準備することでいざとなった時に役に立つかなと思います」



大学代表として高校日本代表相手に投げた早川隆久(早稲田大)

 さらに大学3年になってずっと磨き続けてきたカットボールをマスターした。1年生の時から投げようと思っていたが、なかなか投げることができなかったが、リリースの仕方を変えた。
 「今までは捻ろう、捻ろうと思っていたのですが、ボールを握る中指と人差し指を切るイメージで投げたところ、うまく投げられるようになりました。ストレートと同じ軌道で曲がってくれるので、凡打を打ち取ることが多くなりました」

 またカーブも森下 暢仁(明治大)から教わり、高回転のカーブをマスター。大学3年では第1戦で任されることも多くなり、春秋合わせて5勝。投球イニングも96.2回と多く投げた。

 早川で特筆すべきは重大な怪我がなく、投げられていることだ。早川が順調に球速、変化球の精度を高めているのは、故障しないことが大きいだろう。早川は故障には細心の注意を払っている。まずキャッチボールでの意識は下半身と上半身の連動性を高めることを意識している。
「腕だけで投げてしまうと、肩、肘にダメージを与えてしまうので、下半身主導で連動することをイメージしています」

 また週1回は整体院に通院してメンテナンスを行うなど、常にケアを怠らない。大きな故障なし。だからラストイヤーは大きな進化する可能性がある。