Interview

奥川恭伸(星稜)高校最後の甲子園へ想いを語る 「今までやってきたことを全て出し切る」

2019.08.06

 第101回大会が開幕。今大会注目の大型投手・奥川恭伸星稜)。石川大会では最速158キロを計測するなど、優勝に貢献。早くも大会2日目の登場に沸いている。そんな奥川にここまでの調整状況や大会にかける意気込みを伺った。

石川大会のピッチングはまだ5割程度の出来

奥川恭伸(星稜)高校最後の甲子園へ想いを語る 「今までやってきたことを全て出し切る」 | 高校野球ドットコム
東海大相模との練習試合での奥川恭伸(星稜)

―― 本番も近づいてきています。

奥川 恭伸投手(以下、奥川) 練習での投球と試合での投球では、大きく変わってくるので、なんともいえない感じです。

――石川大会のピッチングを見て気になったのは後半でも150キロ台のストレートを投げ込んでねじ伏せる投球が印象的でした。

奥川 接戦が多くて、試合展開として、後半で頑張らないといけないゲームが多かったので。暑かったですけど、やるしかなかった試合展開でした。

――150キロをたびたび計測しているように、6月〜7月にかけて自分自身、出力が高まっていることを実感していますか?

奥川 多少は意識しています。球速、球威、投球内容など、周りの人に成長したといわれるほどではないと、成長したといえないので。そうやっていってもらえるように頑張っています。

――ではスピードアップの要因として技術的に変えたことはあったのでしょうか?

奥川 感覚的にはあまり変わらないですね。感覚はその日によって変わる感じですね。石川大会は一番良い時と比べれば、5割ほどの内容で、ベストの時と比べると全然まだまだです。
 高校野球はこれで最後ですけど、上で野球を続けたいと思っているので、徐々にもっとレベルアップをしていきたいです。

――そして8月4日には石川大会後、初めてとなるブルペン入りとなりましたが、投げてみての実感はいかがでしょうか?

奥川 まだまだで、0からのスタートという感じです。しっかりと焦らずに投げていきたいですね。

――ブルペンではどういうテーマをもって投げましたか?

奥川 久しぶりのブルペンなので、立ち投げが中心でバランスを崩れていないか、それをテーマにして投げました。

――球数よりもバランスと。

奥川 久しぶりなので、疲れはないですが、投げてみて課題は多くありました。正直、フォームがバラバラなので、1つずつやっていきたいと思います。

――その課題は石川大会からですか?

奥川 大会中もベストが100だとしたら、100まではいっていないですし、自分でもよい調子だと思わないですね。準決勝、決勝は連投して、7月までノースロー調整だったので、そこからちょっとずつ上げていきます。

[page_break:まだ不安だけど、やれることはすべてやって出し切りたい]

まだ不安だけど、やれることはすべてやって出し切りたい

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奥川恭伸(星稜)

――キャッチボールから軸足を動かしている仕草がみられましたが、あれはどういう意図があって?

奥川 いろいろですね。とにかくバランスを意識して、キャッチボールが一番大事なので。今はこんな状態ですけど、試合に入っていけば変わると思うので、残りやれることをしっかりとやります。試合に入っても、ベストなのはもちろんですけど、そうではなくても試合中も修正ができればと思います。

――ということは試合に入れば、アドレナリンもプラスに変えていきたいと。

奥川 投手も投げれば、そういう感覚をつかむこともありますし、今はこんな状態ですけど、焦りはないですね。

――去年は開幕戦からのスタートでしたが、こういうスタートだったのでしょうか?

奥川 いえ、去年の場合は決勝戦の終わりがもう少し早かったので、甲子園に入ってもしっかりと投げられたと思います。

――ということは全く投げないまま、早く迎える中は初めての経験なんですね。

奥川 やはり怪我が一番怖いので、それでも投げたい気持ちもあるので、甲子園を投げることを考えてやってきました。初戦でも2日目ですし、予定よりも1日ずれてよかったかなと思いました。

 そして5日も尼崎市内で投球練習を行った奥川。捕手を座らせ、強度を上げて投げ込んだり、打者を立たせて投げ込んだり、サイドで投げたり、30メートルぐらいの距離から投げたり、いろいろなことを試していた。

奥川 正直、登板2日前でこの状態は良くないですし、絶対いけるとは思わないです。明日(6日)もあるので、調整をしていきたいと思います。サイドやスリークォーターで投げたりしているのは、球離れの感覚をよくする意味もあります。良くないとはいっても昨日(4日)より良くなっているのは確かなので、明日は今よりもよくなって、あさっては明日よりも良くなることを思って、やれることをやるだけです。
 また、少し遠ざけて投げたのは、いつもより捕手を見る風景がいつも違うので、そういうことからも小さなきっかけがつかめると思うので、いろいろ試しながらやっていきたいと思います。さらに遠投も、一番バランスよくするためにやっているので、それも欠かさずやっています。
 試合前日は軽めの調整となりますが、それでもできる限りの調整をしていきます。

 最後に大会にかける意気込みを伺った。

奥川 甲子園もしっかりとゲームを作れるように、特別なことはしないで、今までやってきたことをすべて出し切りたいと思います。

取材=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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