第861回 高次元なピッチングは理解力の高さから生まれる!奥川恭伸(星稜)【後編】2019年01月03日

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【目次】
[1]ステップ幅が狭いフォームはしっかりとしたメリットがあって行っている
[2]理解力を深めたからこそ自分は成長出来た
[3]自分は自分。やるべきことをやって甲子園優勝と日本代表を実現したい

 2019年の高校生をリードする投手として注目される奥川 恭伸星稜)。前編では昨年1年を振り返っていきながら、奥川のピッチングについて迫った。今度は皆さんが気になる投球フォームの意図について迫っていく。

 世代ナンバーワンピッチャー・奥川恭伸(星稜)は野球頭も一流だった【前編】

ステップ幅が狭いフォームはしっかりとしたメリットがあって行っている



札幌大谷戦での奥川恭伸(星稜)

 ここまで話を聞くと、奥川はストレートの握り、投げ方、試合でのプランを自分の言葉で話すことができる野球IQの高さがうかがえる。

 今回、星稜高校まで来て、奥川に最も聞いてみたかったことは投球フォームについてである。奥川の投球フォームはステップ幅が狭いフォームなのが特徴的。しかしこの投げ方について、ステップ幅が狭く、上半身主導で硬い投げ方だという指摘が多く見られる。ただ奥川のピッチングを見ると、今の投球フォームはそこまでマイナスになっていないのでは?と考えた。実際にその疑問をぶつけると明快に自分の投球フォームの意図について答えてくれた。

―― 奥川投手は他の選手に比べてステップの幅が小さいと思うんですが、中学校の時からずっとああいうフォームなのでしょうか?

奥川 そうです。中学校から今のフォームです。

―― 奥川投手のようなメカニズムで投げる投手は筆者の経験上、胸が上手く張れないで突っ込んで投げる感じになっています。したがって、球離れも早く、リリースも安定しない投手が多いです。
 しかし奥川投手の場合は体が突っ込まず、身体の回転が鋭く、さらに球持ちも優れた印象を受けます。どこを意識しているのでしょうか?

 

奥川 体の回転がうまくできているのは自分の持ち味だと思っていて、それは幼稚園の時にやっていたバトミントンが影響しているのかなと思います。僕自身、上半身の使い方には自信があって、そこがスピードを出す一つの要因だと思っています。
 「上体が高い」「手投げだ」と周りにはけっこう言われるんですが、自分が凄く大事にしてるのは、左足の付け根のところにしっかり体重を乗せることなんです。重心の高さは、今のレベルではあまり考えていないです。



札幌大谷戦での奥川恭伸(星稜)

―― 左足の付け根ですか。奥川投手自身、膝を曲げたい、重心を低くしたい思いはかつてあったのでしょうか。

奥川 中学生までは重心を低くしたい思いもありました。他のピッチャーと比べて“立ち投げ”だったので、重心を低く膝を折ってという考え方だったんですが、高校に入って荒山善宣コーチ(星稜出身 1982年夏、1983年選抜に投手として出場)と出会った時に「実はそうじゃないんだよ」という話をされて、自分でも少しずつ理解できました。
 今のフォームのメリットとして、角度をつけるボールとかもできると思うので、重心の高さというのは考えずに、しっかりと左足の付け根に重心が乗っかることを考えています。

―― 取材日も、キャッチボールを見ていて思ったんですが、いろんな種類というか、ステップを変えたり、横で投げたり、いろいろやってるなという印象を受けて、あれはどういう意図を持ってやっているんでしょうか?

奥川 あれは『ハンドリング』と言って、どういう球でも、どういう投げ方をした時でも、しっかり相手の胸に放るという意識で、変化球も遠くに投げる時にコントロールしづらい、その中でもしっかり胸に投げる意識でやっていけば、距離が近づいた時にはもちろん。変化球を投げる時に、どこを目印にして投げたら相手の胸に行くのかなと、そういうのを掴むためにいろいろ投げています。

―― それによってフォームのチェックをしているのですか?

奥川 コーチの方ともいろいろ話し合って、フォームを見て、という形をしています。画像を撮ってというのはあまりしたことが無いです。

―― 普段行っているキャッチボールは自分の感覚を整える感じなのでしょうか?

奥川 高校生の間はフォームがどんどん変わっていくというか、プロ野球選手はみんなフォームを固めてやっていると思うんですが、高校の間はいろいろ変わる部分が多いと思うので、そこを変えるようにしています。

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プロフィール

クリス・テイラー
奥川 恭伸(おくがわ・やすのぶ)
  • ポジション:投手
  • タイプ:右投右打
  • 身長・体重:183センチ・82キロ
  • かほく市立宇ノ気中-星稜
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