Interview

ウィークポイントのある選手からチームの中心選手に成長!福重 圭誇(尚志館)【前編】

2019.06.23

 自宅から学校までは徒歩10分ぐらい。志布志生まれ、志布志育ち。6年前、小学生だった頃、13年春に大隅半島初の[stadium]甲子園[/stadium]出場の快挙を成し遂げた尚志館に魅せられ「地元から夏の[stadium]甲子園[/stadium]」の夢を描く。秋はベスト16止まりだったが、春の鹿児島大会はエース、3番打者として活躍し、4強入りしてセンバツ出場以来となる6年ぶりの九州大会にも出場した。「夢のままで終わらせずに、現実にしたい」と最後の夏にかける思いを語っていた。

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目立った実績のなかった中学時代

ウィークポイントのある選手からチームの中心選手に成長!福重 圭誇(尚志館)【前編】 | 高校野球ドットコム
福重 圭誇(尚志館)

 野球歴は安楽小2年のソフトボールから。幼いころから体を動かすことが好きで、スポーツをするとしたら学校の少年団にあったのはソフトボールとサッカーだったが前者を選択した。高校では[stadium]甲子園[/stadium]出場を漠然と夢見てた。その頃の選択肢に尚志館はなかった。大隅半島には[stadium]甲子園[/stadium]出場経験のある学校はなく、鹿児島で[stadium]甲子園[/stadium]に出られる学校は鹿児島実か、樟南か、神村学園か、薩摩半島の学校に限られていた。

 その「常識」が覆ったのが6年前の春だ。秋の鹿児島大会で準優勝した尚志館が、九州大会で4強入り。翌年のセンバツに出場し、大隅半島の学校として初めて[stadium]甲子園[/stadium]の土を踏んだ。地元大隅半島の中学校出身の選手だけで[stadium]甲子園[/stadium]を勝ち取った尚志館の活躍は、過疎化に悩む半島全体に希望と活気を与えた。

 学校は近所でも、選手に顔見知りの「先輩」がいたわけではない。ただ「初戦で140キロぐらい投げる大和広陵の投手を打って勝ったことに感動した」。中学からはドリームリーグの志布志ホークスに入って硬式野球を始める。進学先は地元・尚志館と揺るがない目標になった。

 中学時代は3番、中堅手、もしくは投手。ただ目立った実績はなく、鹿児島実樟南などの強豪校から声のかかる選手ではなかった。投手よりは野手、打撃を得意としていたが「外角のワンバウンドになるボールを空振りばかりしていた」という。

 明らかなウイークポイントがある選手だったが、中学時代のプレーを見たことがある尚志館の西井田和明部長は「馬力のある選手」という印象は持っていた。鮎川隆憲監督は「経験を積ませることが大事」と考えた。外のワンバウンドになるボールは振らない。我慢して得意なコースに呼び込む…そういった駆け引きは数多くの実戦の中で身に着けるのが一番だ。1年秋から5番、外野手のレギュラーでメンバー入りし、下級生の頃から実戦の舞台を数多く経験することができた。

[page_break: ウエートトレーニングで打力開花]

ウエートトレーニングで打力開花

ウィークポイントのある選手からチームの中心選手に成長!福重 圭誇(尚志館)【前編】 | 高校野球ドットコム
打席に入る福重 圭誇(尚志館)

 福重の「開花」を目の当たりにしたのはこの春の鹿児島大会準々決勝のれいめい戦だ。
 レフトスタンドに2ラン2発を叩き込む4打点の活躍だった。その前日にあった4回戦・鹿児島情報戦でも2ランを放っており、2日間でホームラン3発、6打点を挙げた。鹿児島情報れいめいの2戦は、強打を売りにする強豪私学に打ち勝っての4強入りで「強打・尚志館」を印象付けた試合だが、福重はその象徴のような選手だった。

 「よくバットが振れていました」と自信満々に振り返る。大会前の練習試合から好調で、「やれる」自信を持って臨んだ大会で成長を実証してみせた。

 一番の要因は「ウエートトレーニングの成果」だと胸を張る。
尚志館では毎週火曜日に専門の指導者を招き、ボールを使わずにウエートなどを中心とした身体づくりに充てる日がある。冬場は週2回、トレーニングの日を設けた。

 以前はシーズンに入ると野球の練習に特化していたが、近年は通年通して週1回は身体を鍛える。その成果もあって、福重はベンチプレスで95キロ、スクワットで150キロ挙げられる筋力がついた。1年生から2冬、トレーニングをやり遂げたことで「1年の頃はフェンス手前で失速した打球がフェンスを越えるようになった」。飛距離が伸びて自信がつくと同時に苦手だった外角のボールもしっかり見極められるようになった。

 前編はここまで。後編では最後の夏にかける思いを語ってもらった。

【後編を読む】「夢のままで終わらせず、現実に!」福重 圭誇(尚志館)【後編】

文=政 純一郎

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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