巨人の育成選手が支配下登録に向けアピールを続けている。チームは5月31日現在で、支配下選手が63人。7月末までには65人にしなければいけないため、残り2カ月で最低でも2人は登録が必要な状況だ。

 投手では菊地 大稀投手(佐渡桐蔭横浜大)が支配下復帰目前と言っていいだろう。23年で50試合登板の経験を持つ実力を持つが、昨季は登板なく育成再契約。3軍も経験したが、今年5月のJABA新潟大会では5日のJR東日本東北戦で完封勝利を挙げ、9日から二軍昇格を果たした。二軍でも16日のオイシックス新潟アルビレックスBC戦で7回1失点9奪三振の好投で、支配下復帰に向けて大きく前進している。

 21年のドラフト2位・山田 龍聖投手(高岡商JR東日本)も菊地と同じく支配下復帰が近づいている。プロ入り後一軍登板はなく、昨年オフに育成契約を結んだ。今年は3月からくふうハヤテベンチャーズ静岡に派遣され、9試合で2勝2敗、防御率1.79と好成績を残した。29日には1ヵ月前倒しで派遣期間を終えたことが発表され、一軍の戦力として期待をかけられていることが分かる。武者修行を経て成長した姿を一軍で披露したいところだ。

 野手では三塚 琉生外野手(桐生第一)が候補の一人だろう。高卒1年目に「左膝後十字じん帯損傷及び左膝内側半月板損傷」を負ったが、怪我を癒し、今月9日に二軍で公式戦初出場初安打を放った。高校通算31本塁打のパワーを誇る将来の大砲候補。5月30日のDeNA戦では代打で出場し、3試合連続安打を記録した。夏まで打撃でアピール出来れば今年中の支配下昇格の可能性も高まっていくだろう。

 またフリアン・ティマも5本塁打を記録して自慢の長打力を発揮している。29日のロッテ戦では、侍ジャパン入りも果たした横山 陸人投手(専大松戸)から適時打を放って存在感を示した。守備での課題や一軍の外国人枠など一軍出場は険しいものだが、5年目を迎えたドミニカンは虎視眈々とチャンスを狙っている。

 昨年も5月21日に立岡 宗一郎氏(鎮西)、7月24日に伊藤 優輔投手(小山台=現・ソフトバンク)を支配下登録しており、交流戦前後での補強に動く可能性も大いに考えられる。果たして支配下登録を掴むのは誰になるのだろうか。