高卒3年目を迎えた松尾 汐恩(DeNA/大阪桐蔭)が一軍で研鑽を積んでいる。昨年は二軍で打率.326(276打数90安打)と結果を残し、今年は開幕一軍入りを勝ち取った。ここまで一軍では打率.176(17打数3安打)と課題はあるものの、すでにプロ初本塁打を記録。代打で登場すると大きな声援が沸き起こり、ファンの期待も大きい。捕手という難しいポジションということもあり、すぐにレギュラーを獲得するのは現実的ではないが、近い将来、球団、そして球界を背負っていくような雰囲気を醸し出している。さて、そんな松尾と同じ高卒3年目の野手には、他にどのような選手がいるのだろうか。
松尾と同じくドラフト1位で指名されたのは、浅野 翔吾(巨人/高松商)とイヒネ イツア(ソフトバンク/誉)の2人。松尾よりも先に一軍で結果を残したのは浅野だった。浅野はルーキーイヤーから一軍で24試合に出場。打率.250(40打数10安打)、1本塁打と高卒1年目としては上々の成績を残し、昨年は出場試合数を40試合に伸ばして打率.240(146打数35安打)、3本塁打と順調にステップアップしているように見えた。しかし今年はここまで一軍での出場がなく、二軍でも20試合で打率.091(44打数4安打)と低迷。丸 佳浩(千葉経済大付)とキャベッジが離脱したなかで、一軍昇格のチャンスをつかめていない。
イヒネはプロ入り後に手術を受けたこともあり、1年目は一軍・二軍ともに公式戦への出場がなかった。昨年は二軍で82試合に出場し、打率.177(239打数28安打)と打撃面で苦しんだ。一方で13盗塁と足をアピールしている。今年もここまでは二軍を主戦場としており、22試合の出場で打率.200(60打数12安打)、5盗塁。一軍昇格は果たせていない。
ドラフト2位以下では、西村 瑠伊斗(ヤクルト/京都外大西)、内藤 鵬(オリックス/日本航空石川)、内田 湘大(広島/利根商)といったスラッガー候補たちが二軍で汗を流している。なかでも内藤は、昨年二軍で打率.176(165打数29安打)と苦戦したものの、昨冬のアジアウインターリーグで打率.269(52打数14安打)、2本塁打と開花の兆しを見せた。今年も二軍で主軸として起用されながら30試合で打率.269(108打数29安打)、1本塁打と結果を残しつつある。すでに一軍デビューは昨年果たしており、初安打も記録。今年は初本塁打を目指したいところだ。
その他では、金田 優太(ロッテ/浦和学院)、山浅 龍之介(中日/聖光学院)、清水 叶人(広島/健大高崎)、井坪 陽生(阪神/関東第一)、戸井 零士(阪神/天理)、古川 雄大(西武/佐伯鶴城)、野田 海人(西武/九州国際大付)らも同じく高卒3年目。この中では井坪が、昨年は打率.275(273打数75安打)、今年も打率.264(67打数23安打)とまずまずの結果を残している。阪神の一軍外野は近本 光司(社)、森下 翔太(東海大相模)が盤石で、今年は前川 右京(智弁学園)もレギュラーをつかみ取った。その争いのなかに井坪が加われるか注目される。
今年は松尾が順調な滑り出しを見せているが、彼らはまだ高卒3年目。これから伸びてくる選手もいるだろう。もちろん浅野も、このまま終わるつもりはないはずだ。同世代で切磋琢磨しながら、球界を盛り上げる存在へと成長していくことを期待したい。
※数字は4月22日まで