プロ野球の開幕から3週間ほどが経過した。4月13日にオリックス、そして4月18日に広島が、それぞれのリーグで最初に10勝へ到達した。まだ開幕直後の序盤戦であり、頭一つ抜け出したとは言えないものの、ひとまず開幕ダッシュには成功した形だ。両チームとも、この勢いを維持してシーズンを戦っていきたいところだろう。

 では、両リーグの10勝一番乗りチームは、その勢いのままシーズンを駆け抜けているのだろうか。2020年から2024年までの5年間(延べ10チーム)を調べてみた。すると、10チーム中リーグ優勝を果たしたのは各リーグ1チームずつ、合計でわずか2チーム。確率にして20%だった。

 今年、パ・リーグで10勝一番乗りを果たしたオリックスは、2021年から2023年にかけて3連覇を達成しているが、その間に10勝一番乗りになった年はなかった。むしろ、序盤は抑え気味に進め、夏場以降の勝負どころで抜け出す戦い方が印象的だった。ただし、今季は指揮官が中嶋聡監督から岸田護監督に代わっている。序盤から先行してシーズンを走り抜けることができるか、注目される。

 一方の広島は、2018年以来となるリーグ最速での10勝到達を果たした。広島は2016年から2018年にかけてリーグ3連覇を達成しており、2017年と2018年はいずれもリーグ最速で10勝に到達。2016年もリーグ2位タイでの到達だった。3連覇はいずれも、開幕ダッシュに成功していたことになる。

 昨年は8月末まで優勝争いに加わっていたが、9月にまさかの大失速。優勝どころかクライマックスシリーズ進出も逃してしまった。振り返ると昨年、リーグ最速で10勝に到達したのは中日で、その時点で広島は7勝9敗。10勝に到達したのはリーグ5番目で、開幕ダッシュには成功していなかった。今年は2017年、2018年のように、開幕からの勢いをそのままゴールテープまで持っていけるだろうか。

【一覧】両リーグの10勝一番乗りチームの最終順位

1 2