Column

【監督の本棚】 聖光学院高校 斎藤智也 監督

2013.11.18

読書のすすめ

 聖光学院が2008年夏から福島県内の公式戦で積み重ねた勝利数は95。今年の秋、その記録は途絶えたが、斎藤智也監督は一冊の本との出会いによって常勝を作り上げた。何故、5年2ヶ月もの間、負けなかったのか。その答えが、読書を通して見えてきた。

感動を共有できる本を求めて

――斎藤監督の年間の読書量はどれくらいですか。

斎藤 智也監督(以下、「斎藤」) たいしたことないですよ。読む時は味わって読むし、速読ができるわけでもありませんから。感動を味わいながら読んだ本というのは記憶に残り、潜在能力に貯金される。知識も必要ですが、知識だと忘れてしまう。感動を共有できる本を求めてしまいます。

聖光学院高等学校 斎藤智也監督

――高校や大学のプレーヤーだった時は本を読んでいましたか?

斎藤 全然(笑)。学生の時は、暇があったら遊びたいですよね。読書に求める感覚はありませんでした。エネルギーを発散したい、ストレスを解消したいとなると若いうちは未熟だから、読書に目は向きませんでした。

――読書をするようになったのはいつからですか。

斎藤 監督になってからです。責任を背負ったなと思ったら読書をしたくて仕方なくなっていました。歴史的偉人から何か学ぶとか、日本の良さを再確認するとか、あるいは今現在、世の中のリーダーとなっている人のいい生き方を参考にしたいとか、そういうことを求める感覚が増幅してきました。成功物語の中で参考にしたいのは、技術論・テクニックではなく、何でひたむきにここまで打ち込めるんだろうとか、何でこの人はこんなに頑張れたのだろうとか、そういった人の情熱やその原動力の源。それを知りたい。やり方を知りたいのではありません。やり方を勉強すると、ずる賢くなって知恵だけの世界になってしまう。道を求める人が求めるのは、『知恵』ではなく『智慧』だと思います。知識論の知恵ではなくて、もっと奥深い感覚的な、ハート、魂というところで人間が成長したいとなると、智慧を求めると思います。だから、読む本は、作家・神渡良平先生の作品が多いです。

――1999年の秋に監督になられた時、学校からは「3年で甲子園に行けなければユニホームを脱げ」という厳しい条件を突きつけられました。その時、いわゆる「心技体」のどこを伸ばすかとなった時、心を選ばれましたね。

斎藤 日本は野球道です。Baseballじゃない。日本はスポーツの中から道を求めていくスタイル。私は日本人だからスポーツの中にテクニックだけじゃなく、道を求めたいと思っています。「野球は人生そのものだ」と長島茂雄さんが言っているように、道を求める、という方が正しいと思います。まして、(高校野球は)学校でやっている部活動です。最終的に野球を通して人格を磨いていくのか、そっちの方にしか発想は行きませんよね。人が研ぎすまされてくれば、野球にも反映されてきます。

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[page_break:泣きながら読んだ『安岡正篤 人生を拓く』]

泣きながら読んだ『安岡正篤 人生を拓く

『安岡正篤 人生を拓く』・神渡良平・講談社

――先ほどの話にもありましたが、斎藤監督の指導の基盤は、作家・神渡良平先生の著書からの影響があります。最初に読まれたのは、『安岡正篤 人生を拓く』ですね。どういった出会いだったのでしょうか。

斎藤 2000年に前野栄さんという方から紹介されました。目をかけてくださっていて、『あんた、芽が出る人だと期待しているんだけど、どういう考え方なの?』と聞かれ、考え方を話しました。
 今よりも少ない知識で、人間学野球、人間力野球を追究していくぞというスタートラインの時でした。前野さんは『いろんな監督が変わる経緯を見ているが、そんな中で13年も私立で部長をやるとはよっぽどだ。あんたってどういう人か興味があったんだ』とおっしゃられました。
 そこから色々な話をしていく中で、この本をプレゼントしてもらいました。監督になった時、自分でもいろんな本を漁ったつもりではいますが、記憶にないんですよね。
 技術書も読みましたが、技術的な野球学と野球道、どちらかと言えば、野球道を勉強した方が一石二鳥だと思いました。プレーする人間が、ボールを使うのに最もふさわしい状態になってくれば、そのボールは生かされる。やっている人間が腐っていれば、ボールも死んでしまいます。

――『安岡正篤 人生を拓く』は、斎藤監督の人生を変えた一冊ですか?

斎藤 そうですね。泣きながら読みましたもんね。

――どういった話が特に心に残ったのでしょうか。

斎藤 第二章 人物をつくる の『大いなる存在の導き』という項目です。ここに『不動心』の話しが出てくるのですが、実は、前監督が『不動の心、不動の心』と言って道を求めて、生徒がどんなことがあっても動じないように、どっしりした人間になるようにと、常々話しをしていました。
 勝つことはできませんでしが、精神的な考え方は間違っていなかったのでいいチームができていき、私も勉強になりました。それで、私が監督になった時、その『不動心』の三文字をチームのモットーとして掲げました。

聖光学院のモットーとなる「不動心」が掲げられるグラウンド

――では、ちょうど、同じ時期に、本の中の『不動心』の言葉に出会ったのですね。

斎藤 神渡先生が、四国八十八ヶ所礼所の最後にお大師さんの気持ちが迫ってきたというところがあります。

〈「この暑い盛り、なぜお前をこの苦しい修行に呼び出したのか。それはただ一つだ。頭でっかちになってほしくなかった。体で心で感じてほしかった。それでこの荒行に呼び出したのだ」〉

というお大師さんの声が聞こえたとあるのですが、なんじゃ、こりゃ!と。
お大師さんの語りかけた声を神渡先生は感じ取れたんだと入り込んでしまいました。さらに、

〈自分のような者にもそのような温かい眼差しがかけられ、気づかさせ、導いてくださっているのかと思うとありがたくて、石畳にひれ伏して感涙に咽んだ。〉

この時、私は泣いていますね。こう続きます。

〈その後、森(信三)の言葉が迫って来た。「人間は一生の間に会うべき人に必ず会わされる。それも一瞬早すぎもせず、遅すぎもしないときに」〉

これはうちの横山(博英)部長が好きな言葉ですが、その後のここです。

〈どんな出来事が起ころうと、すべては御仏の手の中で起こっていることであって、私たち一人ひとりにはしっかりと眼差しがかけられていて、ここぞというとき、一人の人物や一つの出来事を通して、目から鱗が落ちるような気づきを与えて、ワンランク上の人生が開けてくるようにしてださっている。〉

感動してしまって、お大師さんとか御仏の手の中とか、何度も読み返しました。そして、

〈そう思えたときに人生怖いものはない。何が起きようとも受けて立とう、これも必要だから起きているのだと思えるようになる。そこからものに動じない心が生まれてくる―—。〉

不動心じゃん、ここ!となったんです。不動心って掲げたけど、上手く表現できなかった。これだよ!俺が求めているのはこれだよ、と号泣していました。 神渡先生がいろんな人の取材をして、ひたむきな人を取り上げて、その人の生き方を見る。神渡先生の本は発刊されるたびに絶対に読み逃したくないなと思うようになり、ほとんど持っています。

『安岡正篤 人生を拓く』・神渡良平・講談社

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[page_break:中村天風の本から学んだ『今』の捉え方]

中村天風の本から学んだ『今』の捉え方

教育目的として本を複製し、ミーティングに使用する

――前野さんとの出会いは森信三先生の言葉そのものですね。さらに、必要な時に必要な本に出会われた。

斎藤 自分が感動したことというのは、忘れないので人に伝わると思います。私が何故、そこまで感動したのかというと、自分が苦しかったからだと思います。希望にも満ちあふれてはいましたが、『甲子園に行けなければ3年でクビ』というスタートでしたから苦しかったんです。
 なんとかしなきゃと思っても3年しか時間がない。だからこそ、追い求めたい、何かつかまねば、何かを体得したいと思っているときに、『安岡正篤 人生を拓く』はグサグサ突き刺さってきました。
 リーダーがどういう考え方で人を導かなければいけないのかとそういうことを教えてくれました。不動心というのは、こうだと生徒に言うのではなく、私が動じない監督になるためには、御仏だとか天のメッセージだとかそういうことを分かる人にならないと、子どもには野球学しか伝えられない指導者で終わっちゃうんじゃないかという危機感もありました。
 人の生き様とか、人が襟を正して受けて立つという肯定的な生き方も書かれていますが、そういう思考回路に人が変わったら人格も変わるし、そういう人間が野球をやったら強くなるだろうなと。

 その前にそういう人間が野球をやるところの指導者が常に、たたずまいがいいというか、私が実際にそうか、周りがどう評価しているか分かりませんが、そういう懐の広い人間が監督をやっていれば、器の大きい人間になって、器の大きい野球ができるんじゃないのかなと。

――器の大きい野球ですか。

斎藤 スモールベースボールとかそういう意味ではなくて、少々のことには動じないとか、逆風が吹いても喜んで受け止めるとか、思うような展開になっても今は風が吹かないだけだから我慢しようと言って凛々しくグラウンドに立ち続けるとか、そういうことができるようになることが一番、教育だなと思いました。
また、結果的に、見ている方々に何か伝えられるのではないかと。子どもたちの姿で、子どもたちのプレーで、何か人に伝えられるようなことまで発展していくんじゃないかなという期待が一気に強まっていきました。
 本を読むことによって自分の感性を高めて、指導者としての器も高めて。一番、求めていたのは感性かもしれません。不動心だ、不動心だと言っていると、あいつは冷酷で氷のような人間だという見方も出てきます。
 ベンチの中でどっしりして表情を変えずに采配する、ミスしても怒らない、ヒットを打っても騒ぐわけじゃない、一喜一憂しない、前後裁断。そういうことが分かって来ると、今、喜ぶことがプラスなのか、悲しむことがプラスなのか、答えは自然と出てきます。その辺は中村天風が勉強になります

練習前、選手の前で話す斎藤監督

――中村天風さんですか?

斎藤 中村天風は、(本の中の記述で)『僕は悲しんだり苦しんだりするんですが、(中村天風)先生は、悲しむ感情、苦しむ心がないんですね』と言って、(中村天風が)怒るそうなんです。『悲しむ心、悲しむ感情がないんじゃない。例えば電車に乗って、花畑があった、電柱があった、駄菓子屋があった、デパートがあった、あんたの生き方はそうなんだ。一個、一個に心奪われて、何が何だったのか、あなたの人生には焦点がない。
 でも、俺はそのすべての光景を車窓から見ているけれどもスーッと流すようにしている。要するに、自分にプラスにならないんじゃないかということが起こった時にそれを一つひとつ心に止めないようにしている。
 かき捨てて、流すようにしている。悲しまないわけじゃない、苦しまないわけじゃない。お前は捉え方を間違っている』
 そういって説教するシーンがあります。そうなると、過去や未来に対する捕われが減ってきます。野球も一緒で、過去は終わったこと、先に起こることは分からない。それに思考を巡らせても不安にしかならない。リードされていれば、不安にしかなりませんから、野球というのは。

 でも、今、リードされているだけで、過去を振り返れば負けている展開だっただけで、先を見れば分からないわけです。勝てないかもしれないと思ったって仕方ない。そんなことを思うんだったら、今を大事に、集中力を今に持って行った方がいいと思います。

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[page_break:高校生に贈りたい本 『未来を拓く君たちへ』]

高校生に贈りたい本 『未来を拓く君たちへ

『未来を拓く君たちへ』・田坂広志・くもん出版

――今年の夏の福島大会はまさにそういった試合が多かったですね。準々決勝は最大4点差を付けられ、決勝は2度追いついてサヨナラ勝ちでした。

斎藤 今年の3年生は未熟だったから、話しをよく理解したと思います。前後裁断だの、過去・未来はないよと言った話しは多かったです。今を際立たせるためにはどうしたらいいのか、過去・未来に捕われちゃダメだ、過去・未来に捕われないためにどうしたらいいのか。過去・未来に捕われるグズグズした性格を省みないといけない。
 グズグズした性格を省みるとはどういうことか。今、自分が一瞬、一瞬、やっていることに対してどういう風に心を動かしているのか。すぐ感情的になるのか。自分でチェックできるでしょう、と。つまらない想像は全部切る。そういうふうにしていくと、今が見えてくる。捕われない感覚が分かってくる。
 それを繰り返していくうちに今に集中できる。毎年、言っていますが、特に今年のチームは理解度が高かったと思います。弱かったので、もっとよくなりたい、もっと成長したい、もっと精神的に強くなりたいって願ったはずなんです。だから、つかみも早かった。

――そういった考え方が夏の大事な場面で生きたわけですね。斎藤監督は、よく本を教育目的として複製し、ミーティングで使用していますよね。

斎藤 東北大会が終わって10月、11月に刷って配りました。
今年は田坂広志さんの『未来を拓く君たちへ』、そこから丁寧に入っていった方がいいかなとも思っています。これは全員に買わせてこともありました。2007年の選抜初出場時は、大会中に読ませていました。今年は練習前の10分でも15分でも読ませようかなと思っています。スタッフは全員、持っています

――斎藤監督にとって読書とは何ですか。

斎藤 一言で言うと安心感ですね。勉強するという歩みが止まれば現状維持になってしまいます。自分の器を大きくしたい、指導者として極めたいと思うのであれば、自動的に人と会って喋ったり、本を読んだり、感性を磨くために大自然を感じたり、人生の師となる人に教えをいただいたりすると思います。
 今、そこに向かって求めているという安心感。でも、安心感に浸りたくないので自分をもっと成長させてくれる本に出会いたいなと思います。
 このオフは(秋季大会で)負けたということもあるけれど、私が原点回帰して、さらに大きな人物になるための期間にしたいと思っています。
 最終的に旗を獲るぞという挑戦を意識した時に『謙虚に努力を重ねます』ではダメなので、爆発力とか推進力とか突破力とか、そういうものがイメージとして出て来るようになりました。私の中で信じる心、やり抜く心、そういう強さを自分の中に求めたいし、まだ足りないなと思います。
 だから、甲子園でもベスト8で止まってしまう。私の甘さです。自分がやってきたチーム作りの中で駆け上がって来た歴史に少し、満足しちゃっているところもあるから、ここ数年の結果は停滞と言われても仕方ないと思います。

斎藤監督と本棚

――高校生に読んでもらいたい本はありますか。

斎藤 やっぱり、田坂広志さんの『未来を拓く君たちへ』ですね。言い方が難しいですが、137億年の広大な宇宙と46億年の地球誕生と人類5000年の歴史があって、この時代、この国に生まれ人と出会う奇跡の一瞬とか。
 今、日本が凄く恵まれているということを他国と比較しながら、日本人は何故こんなに幸せ過ぎるの?と。日本に生まれて来た日本人がいかに恵まれ過ぎているか警鐘を鳴らしてくれています。
 成功と成長を比較していて、成功ではなく成長を求めています。成功という結果を求めるのではなく、成長というプロセスを大事にしなさいと。この失敗は何故したのか、学びなさいというための失敗だ。この挫折は、反省をしなさいという学びだったのだ。この苦しみはもっと成長しなさいというためのメッセージだ。そういうことがいい書き方で書かれています。結論付ければ、感謝を教えたい本です。勝負師を作る本ではありません。人として生かされている感謝に対する気づきをたくさん与えてくれている本です。

――これまでの話しをまとめると、これを読んだ方がいいというよりも、自分に合った本に出会うことが大切ですね。

斎藤 そうですね。野球道こそ高校野球なんだと思うのであれば、そういう本と出会うようになっています。書店に行けば、自分が求めているジャンルに手が届いています。それが、自己啓発なのか、宗教なのか、人生哲学なのか、絶対にそのジャンルに行くはずです。

斎藤監督に多大な影響を与えた神渡良平氏は今年、聖光学院ナインの前で3度、お話しされた。『義足のランナー』『夢をあきらめない』の著者・島袋勉氏とも交流があり、今年3月に沖縄で合宿をした時は宿舎で講演会が開かれた。斎藤監督の本棚には、千日回峰行、四無行などを満行した塩沼亮潤氏や27歳で京セラを、52歳でKDDIを創業し、日本航空を再建させた稲盛和夫氏の著書も揃っている。よく貸すこともあり、現在も数十冊が手元を離れていた。

(文・高橋 昌江)

『未来を拓く君たちへ―なぜ、我々は「志」を抱いて生きるのか』・田坂広志・くもん出版

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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