侍ジャパン歴代最高の投手陣の日本投手陣を徹底分析!
先発陣4本柱は盤石
パドレス・ダルビッシュ有(AP/アフロ)
3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表は、歴代最高のメンバーと言っても過言ではない。中でも先発が予想されるのは、パドレス・ダルビッシュ 有投手(東北高出身)、エンゼルス・大谷 翔平投手(花巻東出身)、オリックス・山本 由伸投手(都城高出身)、ロッテ・佐々木 朗希投手(大船渡高出身)と盤石だ。
ダルビッシュと大谷に関しては、メジャーリーグでもトップクラスとも言える。山本に関しては、現在の実力でもメジャーで活躍できるほどだ。さらに、佐々木朗の実力も昨年のピッチングを見ると、歴代屈指のポテンシャルが感じられる。
WBCに使用されるボールとの相性もあるが、これまでの国際大会でも、山本は適応力の高さを感じ、活躍が期待される。懸念材料としては、昨年の日本シリーズで左脇腹を負傷した点が気になる。
また大谷に関しては、二刀流で出場をすることもあり、投手として起用される試合にも注目される。
ただ、準決勝進出に向けて今大会から設けられた準々決勝では、今季からロッテの監督となる吉井理人・投手コーチが、「準々決勝でダルビッシュ、大谷。1つのヤマになる」と投手起用案を明かしており、準々決勝でメジャー組が勢揃いする可能性が高い。
佐々木朗に関しては、昨年の強化試合で登板している。しかし、その時は球に馴染めずに、シーズンのような圧倒的なピッチングは見られなかった。まだ開催まで期間があることや、昨年高いパフォーマンスを発揮した春の時期ということもあり、佐々木朗にかかる期待値は非常に高い。
この4投手と吉井コーチの高いマネジメント力を掛け合わせることにより、米国やドミニカ共和国はもちろんのこと、ライバル韓国にも圧倒的なピッチングで、勝利してほしいところだ。
第2先発からリリーフ陣も歴代最高級な投手陣
巨人・戸郷 翔征
豪華な先発陣ばかり目を向けられる中で、第2先発からリリーフ陣もトップクラスである。
第2先発として、高い奪三振率や驚異的なスプリットの被打率を誇る中日・髙橋 宏斗投手(中京大中京出身)の注目度が高い。昨年の強化試合でも、慣れない第2先発としても好投を見せた。国際大会では、髙橋宏のように空振りを取れる投手は重宝されるだろう。
昨シーズン、セ・リーグ奪三振王に輝いた巨人・戸郷 翔征投手(聖心ウルスラ出身)もフォークを駆使している。昨年の強化試合では、オーストラリア戦で2番手として登板。4イニングを7奪三振、被安打1と完璧なピッチングを見せた。
さらに、ヤクルト・高橋 奎二投手(龍谷大平安出身)の空振りが取れる球筋の直球は、国際大会で非常に面白くなりそうである。さらにこれまでのキャリアでも、短期決戦にも強く、数少ない左の本格派としても期待できる。
DeNA・今永 昇太投手(北筑出身)は、アジアを中心とした1次ラウンドの対戦国に対して、高いパフォーマンスが期待できる。そのため、この1次ラウンドでは長いイニング投げることやフル回転の活躍に期待したい。
ファーストボールが持ち味の投手が多い中で、オリックス・宮城 大弥投手(興南出身)の価値も高い。昨年の日本シリーズでは、自身のピッチングスタイルを上手く生かして、日本一に導いた。
また、東京五輪でフル回転の活躍を見せた日本ハム・伊藤 大海投手(駒大苫小牧出身)もいる。東京五輪では、流れが相手に傾きそうな場面で、動じないピッチングをして日本を救った。この大会でも、東京五輪のような活躍が期待される。
リリーフ陣では、東京五輪でMVP級の活躍を見せた広島・栗林 良吏投手(愛知黎明出身)が、日本の守護神になりそうだ。この栗林のフォークも、ルーキーイヤーから2年連続で驚異的な被打率を誇っている。また、昨シーズン新人王の巨人・大勢投手(西脇工出身)や、阪神・湯浅 京己投手(聖光学院出身)、日本シリーズでMVPと言ってもいい活躍を見せたオリックス・宇田川 優希投手(八潮南出身)も控えている。さらに国際大会の経験が豊富で、キャリアを通して高い奪三振率を誇る楽天・松井 裕樹投手(桐光学園出身)もいる。これらの投手陣も、スピードボールにフォークを投げており、国際大会で対戦する外国人打者には非常に心強い存在になっていくだろう。
これまでの国際大会では、2006年の上原浩治投手(元レッドソックスなど)や、2009年の岩隈久志投手(元マリナーズなど)、2017年のメッツ・千賀 滉大投手(蒲郡高出身)やオリックス・平野 佳寿投手(京都鳥羽高出身)、増井浩俊投手(元オリックスなど)といった水準以上のファーストボールにフォークを駆使した投手が活躍している現状を見ると、今回の日本代表は非常に楽しみだ。
歴代最高の投手陣とロッテ・吉井監督という最高の投手コーチで、米国やドミニカ共和国など強豪と、力と力のぶつかり合いを制し、2009年大会以来の世界一奪還に期待したい。
(記事=ゴジキ)