日常生活のマネジメント
こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。
日本のみならず全世界で新型コロナウイルス感染拡大による影響が懸念されています。一部の地域では「緊急事態宣言」の発令によって休校措置が延長されたり、部活動そのものも自粛をしているところが多くなっています。外出を控え、自宅で過ごしている皆さんも多いと思いますが、運動不足を解消するためのランニングや自主トレーニングなど今できることを行いつつ、しっかりと再開に向けて準備をしていきましょう。今回は行動が制限される中で自己管理をするためのマネジメントについて考えてみたいと思います。
規則正しい生活を送るための時間術
休校になっている皆さんにとって、朝起きて通学することもなく、自宅で過ごすことは夏休みや冬休みなどの長期休暇期間ぐらいではないでしょうか。またその期間は部活動を行っているため、毎日自宅で過ごすという経験もほとんどないと思います。カレンダーの曜日感覚がなくなってしまいますね…。
そこでオススメしたいのが、その日1日のスケジュールをしっかり決めておくことです。朝起きたときでも構いませんし、前日寝る前でもいいのですが、「明日はどのように過ごそうか」というのをあらかじめ決めておきます。学校で授業を受けるはずだった時間を勉強の時間に充てることも大切ですし、部活に参加している運動時間をどこかで確保することも、体力を落とさないためには大切になってきます。
「朝と夕方の時間に20分ほど近所をランニングする」といったことでもいいですし、「自宅前で縄跳びをする」「室内でできる自重トレーニングを行う」でも構いません。できれば行う時間をあらかじめ決めておき、時間割のように組み立てておくとよいでしょう。
時間の使い方を考えよう
スケジュールの一例。時間割の要領で計画してみよう
休校中であっても規則正しい生活を送ることは、体の免疫力を下げないためにも大切なことです。普段あまり意識したことがないと思いますが、いつも過ごしている時間は「有限」であり、その使い方を見直すいい機会にもなると思います。ここで時間の使い方を大きく4つに分けてみましょう。
●投資の時間…自分の成長につながるような勉強、読書、技術力アップのための練習、トレーニングなど
●消費の時間…生活に必要な時間。睡眠、食事、入浴など
●浪費の時間…目的もなくただ何となくダラダラと過ごしてしまった時間
●空費の時間…何をしていたか思い出せない時間
1日の時間をこの区分で考えたときに、浪費や空費の時間をなるべく少なめにして、投資の時間を多くとれるようしたいですね。ただし、友達との何気ない会話やLINEでのやり取りなどでもそれがリフレッシュにつながり、良い気分転換になるのであればそれは立派な投資時間です。こういう場合はある程度時間を決めて過ごすようにすると良いと思います(ゲームなどもあらかじめ時間を決めておきましょう!)。
[page_break:日常生活を投資の時間にあてよう]日常生活を投資の時間にあてよう
必要不可欠な習慣である睡眠や入浴をより充実させてみよう
睡眠や入浴などは日々過ごす中で必要不可欠な「消費」の時間です。睡眠を削って使える時間を増やしても、睡眠不足は体調不良を引き起こしますし、人間は睡眠をしないと生きていくことはできません。また入浴は毎日行う必要はなくても、社会生活を送る上でやはり欠かせない習慣の一つです。そこで生活に必要不可欠な「消費」の時間を「投資」の時間にしてみましょう。
睡眠は睡眠時間を確保すること(理想は7時間程度)はもちろんですが、睡眠の質にもこだわりましょう。夜、寝る直前までスマホを見て脳を覚醒させてしまうと、その後の寝つきが悪くなります。また小さい画面を見続けることで長期的に考えると視力にも何らかの影響を及ぼすリスクが高まります。野球選手としてパフォーマンスを下げるような習慣はなるべく避けることが賢明です。「就寝時間」「起床時間」「睡眠時間」はなるべく固定するように意識してみましょう。
入浴は湯船につかることを基本とし、体をしっかりと温めるようにします。シャワーしか使えない状況であれば、洗面器などでお湯を張り、足元だけでもしっかりと温めるようにします。体全体の血流をよくすることで疲労回復を促します。また入浴前の水分補給を忘れずに行い、入浴後は体が温まった状態なのでぜひストレッチを習慣にしましょう。
いつもと違う日常に戸惑うことも多いと思いますが、規則正しい生活を送りつつ体力レベルをなるべく維持できるように過ごしてほしいと思います。気持ちの面でリフレッシュすることも忘れずに。今できる範囲での楽しめることなどもぜひ積極的に行ってくださいね。
【日常生活のマネジメント】
●1日の過ごし方をぜひ「時間割」として決めておこう
●「投資」「消費」「浪費」「空費」の時間で考えてみる
●「投資」の時間をなるべく多く確保してみよう
●「消費」の時間でも取り組み方次第で「投資」の時間になる
●「起床時間」「就寝時間」「睡眠時間」はなるべく固定しておこう
●規則正しい生活とともにリフレッシュすることも忘れずに!
(文=西村 典子)