第234回 専門種目外のスポーツを取り入れよう2019年12月15日

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【目次】
[1]アメリカと日本における学生スポーツのとらえ方
[2]違うスポーツや動作を行うことで体力向上をはかる


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 オフシーズンに入り、これから3月までは対外試合のない日々が続きます。体づくりや基本動作の習得のため、練習強度の高いものや何度も繰り返し行う「練習量」はある程度必要ですが、その程度を越えてしまうと慢性的なケガを誘発したり、オーバートレーニングに陥ってしまったりすることもあります。

 オフシーズンは積極的に体力強化を行う時期でもありますが、同じ体力強化を行うのであれば専門種目外のスポーツや動作などを行うクロストレーニングなども取り入れてみましょう。今回はクロストレーニングのメリットや代替となるスポーツなどについて紹介したいと思います。

アメリカと日本における学生スポーツのとらえ方



複数種目を行うことによって、特定の部位への大きなストレスを避ける

 よく比較対象として取り上げられるアメリカと日本のスポーツですが、アメリカでの部活動はシーズンごとに分かれており、夏は野球、冬はアイスホッケー等、シーズンがかぶらなければ野球以外のスポーツと並行してプレーすることが可能です。

 複数のスポーツを経験することは繰り返し動作などによる慢性的なスポーツ障害のリスクを下げるという指摘もあり、アメリカでは多くの学生が複数のスポーツを経験しています。

 一方日本の部活動では一般的に一つの競技のみを年間通して行うことが多く、慢性的なスポーツ障害をどのように予防するかが課題となっています。

 野球は特に投球動作やバッティング動作などを繰り返し行うスポーツであるため、こうした繰り返される外力に負けない筋力や筋持久力、しなやかな動作を実現するための柔軟性などを高めて、体力レベルを向上させることを行っています。

違うスポーツや動作を行うことで体力向上をはかる


 クロストレーニングというのは、一般的には自分の専門種目以外の種目をトレーニングとして取り入れることをいいます。皆さんの場合は野球以外の種目をトレーニングとして取り入れるということになります。

 普段とは違った動きを行うことが多くなるため、普段あまり使っていない筋肉を使うことで筋力バランスを整えたり、運動神経に刺激が加わることで筋−神経のコーディネート能力が高まったりといったことが考えられます。

 また違ったスポーツをすることでリフレッシュをはかり、同じ動作の繰り返しによって「飽きてしまう」ことを避ける目的もあります。

《クロストレーニングのメリット》
・専門種目以外の動作を行うことで筋力バランスや筋−神経のコーディネート能力を改善する
・同じ動作を繰り返すこと(オーバーユース=使いすぎ)によるケガ予防
・同じ部位にかかる負担を軽減し、疲労回復をはかりながら基礎体力を維持する
・全身的なフィットネスレベルの維持向上
・普段とは違ったスポーツを行うことで「飽き」をなくす
・心理的な休息、気分転換、リフレッシュ効果
・天候や施設など外部環境などに対し、柔軟に対応することができる

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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