【三重展望】シード校に集まった強豪校は?各ゾーンの勝ち上がり予想も!
7月14日から開幕する今年の三重大会は、シード権を逃した有力校が多く抽選に注目が集まったが、うまくバラけた組合せとなった。それでも昨年のいなべ総合のような飛び抜けたチームがおらず、混戦が予想される。
【Aゾーン】第一シード近大高専に三重が集まる
伊勢谷 譲二 (三重)
春の覇者である近大高専と昨秋3位の三重が有力視。追う松阪。近大高専は伊藤 康弘監督が復帰して3年目、チームの雰囲気が非常に良くなった事で、これは夏大を勝ち上がる為に非常に重要なファクターだと考える。既に視野に入れているのは準々決勝で当たるかもしれない三重との対戦。春夏連覇を成し遂げ、高専校初となる甲子園にも期待が高まる。
2014年の準優勝以来、甲子園から遠ざかってる三重は「奪還」をスローガンに掲げ、伊勢谷 譲二主将は「優勝しか狙ってないので、チーム一丸となって頂点を取りにいきたいです」と目の色を変えてきている。
ノーシード校ではあるがバラエティ豊富な戦力は充実し、他校が最も警戒しているはず。そんな三重には朗報なのが、昨秋エースナンバーを背負うも今春は故障から戦線離脱していた2年生の本格派右腕、山本 大雅が復帰したことだ。最速145キロで春の2年生エース定本 拓真・3年生左腕の森本 大翔の3本柱が復活したことは大きい。秋春とベスト8入りした松阪も投打に安定。今春から指揮官が変わり、この夏は秋春以上の結果を残して2012年以来の甲子園を目指す。
開幕戦に登場する四日市中央工は、昨年は初戦サヨナラ負けで終わりその悔しさを知る選手達が初戦を突破し次に待ち受ける第一シードの近大高専にチャレンジすると予想され、層の厚い投手陣とこの春から監督が代わった事によりモチベーションUPで難敵相手に番狂わせを狙っている。
古豪・相可と対戦する暁は昨年初戦で近大高専に勝利するなど快進撃をみせベスト8入を果たした。背番号1を着けていた三林投手などベンチ入りメンバー10人近くが残る。
【Bゾーン】第四シード津商に宇治山田商など強豪がそろう
宮原大樹(宇治山田商)
有力校が集まり本大会一番の激戦ゾーン。第四シードの津商と対戦する白子はただ一人の3年生伊藤キャプテンが引っ張ってきた来たチームであり、 津商とは毎年夏大ベンチに入れない3年生を主な対象としたメモリアルゲームをやる仲で、今年も6月13日に開催された。
甲子園をかけた県大会で対戦するとは皮肉な事だがメモリアルゲームセカンドステージに期待したい。この勝者と次に対戦が予想されるのが宇治山田商。最速143キロのプロ注目大型右腕・宮原 大樹も最期の夏に向けて調整に入っていると吉報が届いた。初戦の飯南戦での投球が気になるところ。更に勝ち進むと視野に入れたいのが大砲が集う強打の松阪商。秋春は自慢の打線が相手投手に阻まれ計3得点。打てずに2季連続で初戦敗退を喫した。それだけにこの夏は怖い存在になるはず。
三重海星対三重水産は昨年も同じく1回戦で対戦しておりこの時は三重海星が5対1で勝利しているが、昨年より三重海星はやや力が落ちた感があり、逆に三重水産は昨年よりも力を着けてきており、4月にあった菰野との練習試合では1勝1敗、試合内容的にも互角の勝負を繰り広げており三重海星の投手陣の出来次第では波乱もあり得る。
四日市対四日市商の四日市ダービーも注目のカード、両チームとも好投手を擁し守りも堅実なので引き締まった好ゲームが期待できる。
昨夏と今春ベスト8入りした伊勢工にも期待がかかる。エースで4番の南 大河が中心。初戦でぶつかる三重明野は今春の地区代表決定戦でも対戦した南勢地区1位2位校同士の対戦。序盤は三重明野が5点リードするも、伊勢工が三重明野の山本 雄登を攻略して逆転勝ちした。三重明野も50メートル走6秒を切る田邊 峻平など粒玉揃いでリベンジに挑む。
皇學館は2年生エース奥村 俊馬と最速138キロの鈴木 貫太郎の投手陣で昨秋はベスト8入りを果たした。キレのある直球を投げ込む本格派右腕の北村 駿を擁する津工との初戦は投手戦が期待される。
【Cゾーン】第二シード菰野か連覇を狙ういなべ総合が勝ちあがるか?
村上 健真 (菰野)
菰野がこのゾーンの最有力候補だが、怪我から復帰した左腕赤木 聡介に期待がかかる去年の覇者いなべ総合が肉迫し古豪四日市工、2年生中心で勢いのある白山が追う展開か。いなべ総合打線は左打者が7、8人並び、その事が強みでもありやや気がかりな点でもある。
春ベスト8入りを果たした三重高田は、エースで4番キャプテンを務める藤田 夏輝が、春は故障で登板機会が少なかったがすっかり回復。球にキレが戻って来た。春は投げれなかった分、存在感を示したバッティングにも期待がかかる。
肥田 夏海斗の稲生や、服部 央蓮の久居農林など好投手を擁するチームにも注目したい。
【Dゾーン】第三シード津田学園
津田学園が一歩リードしている。2年生の時から4番を打つ岡村 光などを擁して破壊力のある打線が自慢の桑名工は別府 昴、豊田 聖理など好投手が揃う津西と初戦で激突しこちらも見応えがありそう。この勝者とまとまりのある総合力の四日市南が2回戦で対戦し、勝者がベスト4進出をかけ津田学園に挑戦する展開が考えられる。
津田学園の久保田 拓真、上下 大地、紀南の下地 勝之、桑名工の岡村 光など好打者が集まったのも注目。
ベスト8から頂点までは消耗戦であり、身体のスタミナとハートのスタミナを兼ね備え運気のあるチームが栄冠を掴み取るであろう。ここから勝ち上がり予想を。
Aゾーンからは近大高専との激闘を制し三重がベスト4進出。
Bゾーンからは大須賀投手への負担が大きい三重海星を津商が試合巧者ぶりを発揮して勝利ベスト4進出。
Cゾーンは大会屈指の菰野の左腕村上がいなべ打線を封じベスト4へ。
Dゾーンからは津田学園がベスト4へ。
優勝候補筆頭に上げるのは菰野、北部編で紹介した投手陣に140キロ超の河内頼と俊足巧打の野手であり、ともに140近い球速を誇る田中 和師と伊藤 拓哉も加わり連戦への不安要素は皆無。菰野にとって天敵とも言える津田学園との準決勝が覇権への大きなカギを握る。
もうひとつの山からは津商が決勝進出と見る。服部 恭平ー津商服部哲平の双子バッテリーの姉は同じ津商OGであり今年12年ぶりにインターハイ出場を決めたソフトボール部出身、現在は名門園田学園女子大で活躍しており、本年度のU19日本代表選手。
宿敵・三重を倒し、同じくインハイ出場を決めた女子バレー部もあり津商に運気が向いている。あと津商の宮本監督の指導の賜物か津商の選手達はON・OFFの切り替えが上手く13日間に及ぶ連戦でもハートのスタミナが切れることは無いだろう。
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