昨年はオコエ 瑠偉(関連記事)、平沢 大河(関連記事)といった野手のスター選手がいた。今年も3学年通してみると楽しみなスラッガーが多い。今年の注目野手たちを厳選してピックアップした。
今年、ドラフト候補に挙がるスラッガーは?

上:村田 雄大(横浜) 下:今井 順之助(中京)
今大会注目のスラッガーといえば、高校通算68本塁打の今井 順之助(中京<関連記事>)だろう。昨秋までで45本塁打、同校の先輩である松田 宣浩選手(関連記事)の60本塁打を目標にしていたが、それをあっさりとクリアした。そんな今井の持ち味はフルスイング。強靭な太ももをしていて、縦ぶりのスイングで捉えた打球は軽々とスタンドインする。今井は木製バットでも練習をしており、それでも本塁打を打てる打者だ。
技術は非常に高く、これまで岐阜県内では敵なしの活躍を見せていたが、この夏、岐阜の各校たちは、勝負するより歩かせる方が賢明と考えて、今井との勝負を徹底的に避け、なんと13四死球となった。それにより打撃の調子を崩したのか、13打数2安打に終わった。だが2安打の中身を見ると、二塁打1本、本塁打1本と長打を打っているところはさすがだ。甲子園で勝負を避けられることは少ないはず。甲子園では好投手が多いので、好投手との力と力の勝負で、今井の長打力が復活するか注目していきたい。
この夏、3本塁打を打っている村田 雄大(横浜)は185センチ85キロと恵まれた体格を誇る左の大型スラッガー。昨秋は体格に似合わず上手い打撃をする選手という印象であったが、がらりと変わった。右足を高々と上げてから、豪快なフルスイング。打ち損じすることなく、内角、外角、低め、高めのボールを捌き、ライトだけではなく、レフトにも飛ばす。横浜高の左打者では筒香 嘉智(関連記事)以来の強打者ではないか。2年前の先輩・浅間 大基(関連記事)よりもスラッガーとしての素質がある。強打の左打ち外野手としてアピールするために、甲子園でも豪打を披露したい。
そして話題になりそうなのがここまで高校通算48本塁打の栗原 健(常葉菊川)。70センチ73キロと決して大きくないのだが、柳田 悠岐(関連記事)ばりのフルスイングで、豪快に打球を飛ばす。ただ振り回しているのではなく、軸のブレがなく、打ち損じすることなくボールを捉えることができる。恐らく今年の高校生打者では最も振れるのではないかという選手だ。小柄だがホームランを打てる左打者といえば、森 友哉(大阪桐蔭-埼玉西武<関連記事>)の名前がすぐに浮かぶが、栗原はまさにその系譜を受け継ぐ逸材ではないだろうか。さらに静岡大会7試合で7盗塁を決めている俊足も魅力。外野守備も強肩で、プレースタイルは非常に華やか。活躍すると一気に人気打者になれる可能性を持っている。
最後は九鬼 隆平(秀岳館<関連記事>)。強打・強肩・俊足のキャッチャーだが、一瞬の判断、視野の広さが光る好捕手で、熊本大会では本塁打なしに終わったが、甲子園では走攻守すべてでチームを引っ張り、世代ナンバーワンキャッチャーに相応しい活躍を見せることができるか。