第144回 横浜市立南高等学校(神奈川)2014年06月23日

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[1] 地域の人たちの協力で育てられた「南高」
[2] 自分たちの野球をやっていこうという意識
[3] 創立60周年に刻む新たな歴史

公立校の現在地

 横浜を筆頭に東海大相模桐蔭学園桐光学園慶應義塾など全国的にも知られている強豪がひしめきあっている神奈川県。選手権神奈川大会に参加する190校は全国最多。その頂点に立つのは並大抵のことではない。まして公立校にとって、その壁はとてつもなく厚い。そんな中でこの春、横浜市立高校がベスト8に進出した。準々決勝慶應義塾に敗れたものの、夏を占う上で外せないチームとしてファンの記憶に刻まれた。

 学校の前の通りはかつて「南高通り」と呼ばれていた。その通りに面した正門から入ると、校舎の脇にスタンド付きのグラウンドがある。これが、野球部の専用球場である。

地域の人たちの協力で育てられた「南高」

 グラウンドに恵まれない都会の公立校をイメージしていると、驚いてしまうほどの充実した施設。これは、市立校でもある高が、60年前の創立の際、同じく市立の横浜商の普通科的な位置づけだったことと関係がある。地元の有志たちが学校を「誘致」したという。さらに、グラウンドの用地を彼らが準備したとのこと。まさに地元の人たちに支えられてきたチームであった。

 高校野球と地域社会が良好な関係を保つことは理想だ。それを形にしているのが、高校と地元の関係と言える。

学校すぐ前の信号にも「南高」の表記

 これだけのグラウンドを保有しているので、毎年春秋の県大会予選となる横浜地区ブロック大会では会場校となる。神奈川県の場合は、それだけでもかなり有利だ。というのも、会場校であればブロック予選の段階で横浜慶應義塾横浜隼人横浜商大高といった甲子園出場実績があり、同じく会場校となっている強豪校との対戦を回避できるからだ。

「自分が現役の時は、それほど思わなかったですけれども、指導者となって監督という立場になってみると、これは有利」
 と、同校の出身で就任4年目となる近内 真一監督も認めている。

 県下の公立校の中でも高は組み合わせにおいて、好条件ということが言える。また、今の3年生をはじめ、近内監督も含めて、「このグラウンドがあるから、公立校で野球をするならここだと思った」という意識で高を選んで入学してきている選手も少なくない。なので目的意識の高い選手が集まる傾向にある。それに、進学校としての実績もある学校なので、親としても安心して子どもを進学させられるということもあるだろう。

 とはいえ、それだけでベスト8に残れるほど神奈川県の野球は甘くはないのは確かだ。どのような練習を積んでいったのだろうか。

第96回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ

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プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
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