第1029回 昨夏甲子園ベスト8から1年。どんな時でも「関東一野球」は生き続けている2020年07月26日

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【目次】
[1]緻密な守備、接戦の強さは日々の練習から形作られる
[2]「3年生で戦いたい」という思いで多くの3年生がレベルアップ

 昨夏甲子園ベスト8まで勝ち上がった関東一関東一といえば、抜け目のない走塁、状況判断が優れた守備。いわゆる試合巧者な野球で着実に勝利をつかむ野球だ。特に接戦の強さは定評がある。今年は新型コロナ感染拡大の影響で、長い自粛期間があったが、それでも今年の選手たちは限られた練習、対外試合の中で、「関東一野球」を実践しようと日々、練習に取り組んでいる。取材日の練習でもその意識の高さが垣間見えていた。

緻密な守備、接戦の強さは日々の練習から形作られる



実戦形式の守備練習に取り組む関東一ナイン

 関東一の練習はとにかく緊張感が伝わる。
次のプレーを想定した声だし、キビキビとした身のこなし、丁寧なグラウンド整備、草むしり。グラウンドの1つ1つの所作を見ても強いチームということが分かる。

 取材日の練習では、実戦形式の練習が繰り返し行われていた。常に走者がいる状況で、打者は打席に立ち、マシン相手に打者は右、左に打ち分ける。この実戦練習を見ていくと、関東一の守備陣の動きの良さが分かる。たとえばランナー二塁の場面でバントを試みた時、エース左腕・今村 拓哉が軽快にボールを処理し、封殺する場面が見られ、また内野手の併殺処理。外野手の動きを見ても肩の強さ、ボールを追うまでのスピード。すべてにおいて「レベルの高さが感じられる。

 この練習で見逃せないのは「次のプレー」を予測した連携や声があることだ。たとえば、走者二塁でヒット性の打球を転がったとき、バックホームに入ったとき、捕手はタッチして終わりではなく、打者走者をさすためにすかさず二塁、三塁へ投げる。また、次のプレーに移行できるために外野手もなるべく低い返球を心掛け、もしバックホームしても無理と判断したとき、関東一の捕手はすぐに送球に入る。こうした一連のプレーに、選手たちは「サード!ホーム!」など次のプレーを予測した声が飛び交う。

 関東一の主将であり、正捕手の渡辺 貴斗はこうした意識づけこそ大事だと語る。

 「やはり目の前のバックホームだけアウトにすることを目指すのではなくて、先の進塁を防ぐためにこうした声かけは関東一ではとても大事にしています」
 関東一の野球はミスを防ぐことはもちろんだが、ミスが起きた時にダメージを最小限に抑えるために常に先のプレーを見据えて、観察力を養う。

 

 常日頃から行うゲーム形式の練習から「関東一野球」は培われており、接戦に強いチームを作り上げているのだ。

 ただ関東一の選手たち、首脳陣によると、ようやく取り戻してきているレベルだという。新チームがスタートしたとき、堅い守備が光った前チームと比較してもミスが多く、センターの重政 拓夢は「声、連携となる部分ができていなくて、それでフライを落としたりするミスがあった」と振り返るように、冬場では個人のトレーニングに明け暮れながら、実戦形式の練習で積み上げていった。しかし新型コロナ感染拡大の影響で、活動が自粛となり、全体練習が再開したのは6月ごろ。米澤監督によると、最初は連携や実戦感覚が遠ざかっておりミスも多かったという。

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プロフィール

河嶋宗一
編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 編集長であり、ドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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