前編では銚子商が復活するきっかけとなった監督の考え方などにに迫った。後編では冬の取り組みや夏への意気込みを伺った。
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◆4年連続夏初戦敗退から一転!銚子商(千葉)を蘇らせたチャレンジャー精神【前編】
投打において成長 習志野とは1点差勝負を行う

澤田監督の話を聞く銚子商の選手たち
冬では、守備面を強化ポイントに掲げ、細かい連携プレーを鍛え、さらに打撃力が高い選手が多く、それを強みに振り込みを行った。また古井や遊撃手の常世田 翔太ら主力打者は澤田監督から技術指導を受け、古井は対応力を高め、そして常世田は長打力を伸ばす打撃フォームを習得し、春先から本塁打を量産するようになった。
また、投手陣は2005年夏の甲子園出場時のエースだった遠藤晃投手コーチ、酒田南出身で、1年夏に甲子園を経験。元東京ヤクルトの山本斉臨時投手コーチの指導によりスキルアップし、レベルアップを果たした。
一冬超えても、盤石の強さを見せる。県大会では順調に勝ち進み、準々決勝では速球投手を多数そろえ、さらに、強打が持ち味の千葉明徳に対しても屈することはなかった。
「上に行けば相手チームも強くなるので、打撃面でも、守備面でも負けないように考えていました」
3年生左腕・向後勇太が好投。山本コーチも「切れが素晴らしく、130キロ台を投げる投手と比べても速く感じます」と元プロが認める切れ味抜群の125キロ前後のストレートで次々と空振りを奪い、1失点にとどめ、そして打線も4番・古井 敬人、5番菅谷圭一郎を中心に攻略して、6得点。一気に勝ち進んだ。

トレーニング中の銚子商の選手たち
「打撃も守備も、すべてにおいて負けないことを心掛けていた試合でした。うまくそれができた試合だったと思います」
そして準決勝では習志野と対戦。2対3で敗れたが、点差、力の差とともに縮まっている。春の4強入りの要因として、澤田監督は投手陣の働きを評価した。
「向後勇、菅谷の左腕2人、そして右投手の角田は制球力もあって、さらに完投能力もある。よく頑張ってくれたと思いますし、これまで下級生の時から経験をさせている投手たちでもあるので、自覚が芽生えてきたのも活躍の要因かなと。以前と比べても黙々と練習をするようになりました」
また習志野打線を3失点に抑えるリードを見せた那須は常に声掛けを忘れなかった。
「ずっと走者を出していましたが、常に声をかけてどう抑えればいいのか。その声かけをして、投手も狙い通りのコースへ投げてくれたことで、抑えることができたと思います」
だからこそ接戦で敗れた悔しさがある。
「4番の古井が1本を打ってくれたのですが、勝ち越せなかった悔しさがありますし、接戦で勝ち越す力をつけたいと思います」