第484回 立正大立正(東東京)「誰もが感動するチーム」として東東京に一大旋風を2018年05月05日

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【目次】
[1]「名将の言葉」基盤に「経験をミックス」
[2]「紅白戦」でチーム力上げ、秋都大会ベスト8へ
[3]「誰もが感動するチーム」として夏の東東京へ


 7月1日から開幕する第100回全国高等学校野球選手権記念大会東・西東京大会。東西とも各校の実力が拮抗しており、激しい戦いが予想される中でも、特に注目に値する学校が東東京地区にある。 昨秋東京都大会ベスト8に進出した立正大学付属立正高等学校(以下、立正大立正)。1872年創立の「日蓮宗宗教院」を起源に1904年・日蓮宗大学林中等科として創立された同校は創立119年目での甲子園初出場を射程圏内においている。
 では、野球部はどのようにして躍進へのレールを敷いていったのか?今回は、2001年夏・日大三(西東京)の甲子園優勝メンバーであり、プロ野球も経験した内田 和也監督が目指す「誰もが感動するチーム」をキーワードに、夏の旋風を目指す彼らを追っていきたい。

「名将の言葉」基盤に「経験をミックス」 



立正大立正野球部

 2001年夏の甲子園で、現在は東京ヤクルトスワローズの貴重な中継ぎを務める近藤 一樹をはじめ、4人が高卒プロ入りしたタレントを擁し甲子園初戴冠を果たした日大三(西東京)。その3番・外野手としてチームをけん引したのが現在、立正大立正で就任3年目を迎える内田 和也監督である。

 2001年秋のドラフトではヤクルトスワローズから4巡目指名を受け、同球団で4年・西武ライオンズで1年間選手生活を送った後は、一念発起し早稲田大通信課程に進学する。教職課程を学びつつ、東京玉川リトルシニア・世田谷南ボーイズ・野球塾で指導に携わる日々。その脳裏には常に日大三の恩師・小倉 全由監督の言葉が刻まれていた。
 「俺よりも時間が制約され、グラウンドも狭い中で甲子園に出ている監督さんの方がずっと偉いんだよ」

 「立正大立正は専用のグラウンドもなければ、最終下校も19時と決まっている。小倉監督の言葉があったからこそ立正大立正の監督をやろうと思いました」2016年春、高校指導のスタート地点を立正大立正に定めた理由の1つもその言葉があったからである。

 ただ、内田監督の指導法は「選手へのフォローの仕方、言葉のかけ方、距離感をモノにしたい」としながらも、小倉監督とはやや角度を変えている。

 端的に言えば、自らが経験した日大三・プロ野球の選手経験。さらに中学・小学生への指導経験をミックスした指導法。なぜ「ミックス」なのか?
 「プロ野球選手は野球の天才ですから、彼らがやっている感覚をそのまま選手に伝えても、伝わらないというか、間違った解釈をしてしまう。だから私なりに解釈をして、伝えるようにしています」

 一例をあげれば打球を捉えるポイント。内田監督は指導法について、教師としての生徒たちへの接し方も交えてこう解説してくれた。
 「プロの世界でも、前のポイントで打って活躍した選手もいれば、後ろのポイントを打って活躍した選手もいる。つまり、選手によってどのポイントが合うのか違います。だから、私が選手を指導するときは前のポイント、後ろのポイントのメリット、練習法を伝えるようにしています。
 教員は生徒の習熟度の違いによって、その生徒に合った問題の解き方を教えます。私の指導は、そんなことも踏まえ、いろいろな経験を通して出来上がったやり方です」

 もちろん、中学年代の指導もそこに活かされている。
 「私の場合は最初に中学生の指導を経験したので、高校生を指導すると中学生よりも体ができているので、技術的な飲み込みも速い。
 また、これはプロや高いレベルでやってきた方にありがちな傾向ですが、指導すると『こんなこともできないのかよ』とまずなる。それでもそれをかみ砕いて、選手の目線に合わせて教えるのが指導者の仕事です」

 事実、選手たちに内田監督の指導を聞くと「わかりやすい」と口をそろえる。中学時代にも内田から野球塾で指導を受けた主将の青木 大空(3年)は、その内容を詳しく話してくれた。
 「内田先生は課題を指摘するだけではなく、必ず練習法を教えてくれるんです。
  高校に入っても『外角球を左中間に打ち抜きたい』と先生に相談したら、まずは体幹を鍛えること。そして体を開いたままのティーバッティングを教えてくれました。そうすると本当に打てるようになりました」

 昨秋都大会3回戦錦城学園相手に3打席連続三塁打を打った神尾 優人(3年)も、内田監督の指導によって外野守備が上達した選手の1人。
 「先生から『ノックよりも実弾捕りで捕球したほうがよい』いとアドバイスされました。『実弾捕り』は、金属バットで全力で振った打球を捕ることをいうのですが、スタートの仕方を教わった上で、この練習を行ったら守備がうまくなりました」

 中学時代から有名だった選手はほとんどいなくても。このように内田監督の細やかな指導によって実力を伸ばした選手たちは、立正大立正・昨秋都大会ベスト8の原動力となった。

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河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
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  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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