
田中千晴(國學院大出身)
巨人は昨年、屈辱のBクラスに終わった。しかしドラフトを振り返ると、かなり良いドラフトができたのではないだろうか。そんなドラフトを総括していきたい。
第1回は1位の浅野 翔吾外野手(高松商)、2位の萩尾 匡也外野手(文徳-慶應義塾大)の両スラッガーの将来性を展望したが、今回は残りの本指名組3名にも迫っていきたい。
田中 千晴投手(浪速-國學院大)は最速153キロを誇る速球派右腕だ。好調時のストレート、フォークは素晴らしく、なかなか打ち崩しにくい投手だ。しかし神宮大会での投球はあまりまとまりがなく、コンビネーションになっていない内容を見ると、即戦力としては厳しい印象だった。1年目は投球の基礎づくりを行う意味で、二軍のローテーション入りし、2年目から一軍定着を目指したいタイプだ。
4位の門脇 誠内野手(創価-創価大)は、走攻守に無駄がないショートストップだ。門脇のように穴が小さい内野手タイプは現在の首脳陣に好まれやすい傾向にあり、ガッツもあるので、原監督が好きなそうな要素は備わっている。打撃は思い切りよく、守備は堅実に、自慢の走塁は積極性だけではなく、判断力の良い走塁を見せれば、既存の走塁タイプの選手を脅かす存在となりそうだ。
5位の船迫 大雅投手(聖光学院-東日本国際大-西濃運輸)は21年のドラフトでもなぜ指名がなかったのかと思わせるぐらいの実践派サイド右腕だ。常時140キロ後半の速球、切れ味鋭いスライダーで翻弄。22年でもしっかりとアピールした。かつて巨人の中継ぎとして通算222試合登板を果たした田原誠次投手(聖心ウルスラ出身)のような活躍が期待される。
本指名組は戦力になりそうな投手が入った。23年にはまず船迫が台頭して、中継ぎのポジションで10試合以上の登板を経験するのではないだろうか。年齢的にもあとがないだけに、なんとしても結果を残して成功ドラフトと呼ばれることを期待したい。
【指名選手一覧】
1位:浅野 翔吾外野手(高松商) 〇世代No.1スラッガー。高校通算68本塁打を放ち、U-18日本代表にも選出。世界大会では1番打者として打線を牽引した。
2位:萩尾 匡也外野手(文徳-慶應義塾大)
大学ラストイヤーだけで、9本塁打を放っているスラッガー。4年秋には三冠王に輝く。
3位:田中 千晴投手(浪速-國學院大)
最速153キロ右腕。上から振り下ろすフォームからのフォークは脅威。
4位:門脇 誠内野手(創価-創価大)
二遊間を守れる171センチのセンスあふれる内野手。4年春季ベストナイン。
5位:船迫 大雅投手(聖光学院-東日本国際大-西濃運輸)
右サイドから140キロ後半の速球を投げ込む社会人屈指の実力派右腕。
選択終了
育成1位:松井 颯投手(花咲徳栄-明星大)
花咲徳栄出身の154キロ右腕。4年春リーグで38.1回44Kをマーク。
育成2位:田村 朋輝投手(酒田南)
素材は東北地区No.1右腕と評される149キロ右腕。
育成3位:吉村 優聖歩投手(明徳義塾)
左サイドの独特な角度が持ち味で、U-18ではアメリカ戦で好投。
育成4位:中田 歩夢内野手(東奥義塾)
青森県屈指の好遊撃手。投手としても140キロ後半の速球を投げる強肩が魅力。
育成5位:相澤 白虎内野手(桐蔭学園)
2022年の神奈川を代表する強打の内野手。
育成6位:三塚 琉生外野手(桐生第一)
スケール型の大型外野手。打球速度の速さ、飛距離は世代トップクラス。
育成7位:大城 元投手(未来沖縄)
身体能力抜群の速球派右腕。
育成8位:北村 流音投手(桐生第一)
140キロ後半を投げ込む群馬No.1右腕。
育成9位:森本 哲星投手(市立船橋)
最速143キロの速球、切れ味鋭いスライダーで勝負する千葉県屈指の左腕。
選択終了
(記事:河嶋 宗一)