第50回 横浜高校野球部に見た「野球の未来像」=「強く、正しく、カッコいい」2019年06月20日

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【目次】
[1]横浜高校が示した「強さ」だけでない部分
[2]未来の野球に望まれるのは「強く、正しく、カッコいい」

 2007年2月に首都圏から居を四国地区に移し13年目。「さすらいの四国探題」の異名を背に四国球界でのホットな話題や、文化的お話、さらに風光明媚な写真なども交え、四国の「今」をお伝えしている寺下友徳氏のコラム「四国発」。

 早いもので第50回を迎える今回は、6月8日(土)・9日(日)の両日行われた「香川県高等学校野球連盟招待試合」にやってきた横浜(神奈川)が伝えてくれたことを中心に、「野球の未来像」を探っていきます。

横浜高校が示した「強さ」だけでない部分



尽誠学園とのストラックアウト対決に勝利し心から喜ぶ横浜の選手たち

 2019年6月8日(土)夕方。その瞬間、空は「YOKOHAMA」のユニフォームから突き出される人差し指で埋まりました。

 もちろん、ここは同じ週末に柳沢 慎吾さんがナイジャー・モーガンさんらと共に観衆を大いに沸かせた横浜スタジアムではありません。これは香川県高松市のレクザムスタジアムで行われた「香川県高等学校野球連盟招待試合」初日後に子どもたちを招いて行われた「キャッチボールイベント」最後に行われた尽誠学園とのストラックアウト対決に勝利した直後の出来事です。

 大会では四学大香川西尽誠学園高松商藤井を相手に51得点・47安打・14二塁打・4三塁打・7本塁打をマークした圧倒的な打力と147キロを連発したドラフト候補左腕・及川 雅貴(3年)を軸とした豊富な投手陣で4連勝を飾った彼らですが、こんなところにも勝負にこだわっていたのです。

 ただ、彼らがこの2日間で示したのは「強さ」だけではありません。キャッチボールイベントでは「子どものころを思い出した」と振り返った及川投手や平田 徹監督をはじめ、子どもたちの目線に立って共に楽しむ姿が随所に。

 また、常に逆方向を狙いながら甘いボールを一発で仕留める打撃に代表される技術力の高さ。「楽しく」が明らかに解るベンチの雰囲気とTPOをわきまえた礼儀。囲み会見で侍ジャパンU-18代表合宿で学んだことをそれぞれの言葉で明かしてくれた及川、左腕・松本 隆之介(2年)、主将の内海 貴斗(3年・二塁手)をはじめ、自己表現力も備わっていました。やや抽象的な表現になりますが彼らは単純に「カッコいい」のです。

 松坂 大輔投手(中日ドラゴンズ)、筒香 嘉智外野手(横浜DeNAベイスターズ)をはじめ数多くのOBが活躍し高校野球を超えて世間の認知度も高い横浜高校野球部ですが、こんなところにも名門であり続ける一端を見たような感じがしました。

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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