現在、四国アイランドリーグplusの前期リーグ戦で首位につけている徳島インディゴソックス。6期連続優勝に向け、今季も育成と勝利の両立を図りながら勝ち星を伸ばしている。

 22年からチームの指揮を取る岡本 哲司監督は、「今年は選手が目標を共有できていて、力を合わせられるチーム」と話す。昨年は12年連続のドラフト指名を達成し、記録更新に周囲の期待も高まる中、選手個々の目標に向かって取り組む姿勢を評価している。

 昨年までと指導方法やコーチングに大きな違いはないが、指揮官が指摘するのはチーム全体の意識の変化だ。

「目標が共有できていれば、どのように到達するかが大事になっていきます。我々スタッフはその道しるべになるだけです。ティーチングやコーチングなど色々なものがありますが、チームとしては『ラーニング状態』。ドラフトという高い壁に向かってみんなで苦しみ、みんなで喜び合うという気持ちで取り組んでいます」

「目標の共有」を実感した一つが4月初旬に行われたJABA四国大会だ。今年は徳島県で開催されたため、四国アイランドリーグplusの代表として出場。JR九州との初戦では、池田 凜内野手(履正社明治大)のサヨナラタイムリーで劇的勝利を挙げるなど、社会人の強豪相手に1勝1敗1分と堂々たる戦いを見せた。リーグが初参加した2015年以降、2敗を喫さなかったのは史上初となったが、岡本監督も選手の戦いぶりに目を細める。

「社会人野球は企業の看板を背負っていて、勝つための野球が完成されている。様々なカテゴリーのチームと対戦することは選手たちの学びになります。もちろんそう簡単には勝たせてくれない。その中でステージが上の相手に対しても『俺たちはやれるんだ』という手応えを感じた大会でした」

 今季の戦力に目を向けると投打に2年目以降の選手が存在感を示している。投手陣では斎藤 佳紳投手(近大泉州天理大(中退))が19回と1/3を投げて防御率0.47と圧巻の成績を残せば、高卒2年目の髙橋 快秀投手(多度津)も1.33、ルーキー右腕の権田 翼投手(大垣日大日本大ハナマウイ)も1.69と防御率トップ3を独占。野手でも主将を務める今村 龍之介外野手(西日本短大付福岡大(中退))がリーグトップの4本塁打、チームトップの打率.359と好調を維持する笹浪 竜外野手(函館大柏稜東北福祉大)が打線を牽引している。岡本監督も「投手で言えば髙橋、斎藤が順調に成長しています。野手も笹浪が好調で、今村が打てば勝てる。そこに池田もうまく絡んでいます」と成長を称えている。

 13、14日にはむつみスタジアムに巨人(3軍)を迎えて交流戦を行う。ドラフト指名に向け、NPB球団相手のアピールは欠かせないだろう。今回の交流戦が夢を掴むための足掛かりとなるのか。徳島で行われる熱戦から目が離せない。