星稜・能美 誠也、将来性抜群の1年生捕手、「一本足打法」と俊足を武器に絶賛成長中<2024年のヒーロー候補たち⑲>
能美 誠也(星稜)
昨年秋の明治神宮野球大会高校の部では、将来、非常に楽しみな捕手が目についた。優勝した星稜(北信越・石川)の背番号2、能美 誠也捕手は、まだ1年生。それでも、レベルの高い豊富な投手陣をリードし、打撃でも大会で打率5割をマークするなど、チームの優勝に大きく貢献した。
捕手としての素質にあふれている。強肩であることはもちろんだが、キャッチング、ブロッキングがしっかりしていて、投手陣の低めの変化球の捕球が安定している。投手陣の好投の裏には、能美の存在があると言っていい。明治神宮大会では、二塁へのけん制で走者をアウトにした。雨で足元が悪い状態でこのプレーを狙っていたという状況判断の良さもプレーに反映されている。
打席では「1本足打法」でバットから快音を響かせる。投手が投球動作をはじめる前から、右足を大きく上げ、左足1本でじっくり構える。ややヒッチ気味に手首でタイミングを計ってスイング。左足に十分に体重を乗せてからのパワフルな打撃が大きな特徴だ。昨年秋の松商学園(長野)では、3ランを放つなど長打力もある。逆方向への流し打ちも華麗で、アベレージも残せる。明治神宮大会では6四死球を選び、4試合16打席の出塁率は.688にも上った。
走れる捕手でもある。明治神宮大会では青森山田(青森)戦での1試合2盗塁を含む4盗塁を記録した。
星稜のOB、巨人・山瀬 慎之助捕手と、ヤクルト・内山 壮真捕手がこなしてきた練習法で、捕手としてのすべてを勉強中という。将来、どこまで成長するのか楽しみだ。出場が有力な今センバツでの活躍に期待したい。
星稜・能美 誠也捕手
【経歴】
174センチ、72キロ、右投げ左打ち
金沢市立清泉中出身
【寸評】
キャッチング、ブロッキングの技術はもちろん、強肩を持つ1年生捕手。打っては「1本足打法」で本塁打も打てる俊足の持ち主
【実績】
1年秋 石川大会では9番でスタメン出場。北信越大会では6番に昇格し11打数4安打、打率.364をマーク。松商学園(長野)戦では3ランを放った。明治神宮大会では豊川(愛知)との準決勝で3打数3安打を放つなど、10打数5安打、打率5割をマークし、盗塁4も記録した。