試合レポート

千葉商大付vs我孫子二階堂

2021.09.04

1年生12人ベンチ入りの千葉商大附、自慢の強力打線で試合をひっくり返し、逆転コールド勝ち

千葉商大付vs我孫子二階堂 | 高校野球ドットコム
4番レフト・三橋 裕大(千葉商科大附)

 市川市の実力校として注目される千葉商大附。昨年は3年生主体のチームだったが、今年は1年生が12人もベンチ入りしている。この試合も1年生の活躍が目立った。
 先発・三橋 裕大が2つの四球を出し、投手交代。三塁・浦部 竜樹(1年)がリリーフしたが満塁のピンチを迎え、5番鈴木翔の2点適時打で2点を先制された。さらに二死一、二塁から7番高野の中越え二塁打で一気に4点を先制された。

 だが、千葉商大附は2回裏、一死二、三塁から7番畠中の適時打から反撃を開始した。3対4とした後に3番浦部、4番三橋の連打で7対4と試合をひっくり返す猛攻を見せた。3回裏にも走者を三塁に進め、相手捕手の悪送球を誘い、1点を追加し、8対4とした。

 6回裏にも1点を追加した千葉商大附は、3番手の山邊が120キロ中盤の速球と、切れのあるスライダーを投げ分け、バタついたところも見えたが、しっかりと抑えた。そして7回裏、二死満塁から1番平山卓也(1年)の中越え適時二塁打で2者が生還。11対4の7回コールド勝ちで代表決定戦へ進出した。

 とにかく振れる選手が多く、スクエアスタンスから無駄のない動きで前に大きく振るメカニズムで鋭い打球を飛ばすことができる。

 特に1番・平山はそれほど体が大きいわけではないが、打球を遠くへ飛ばすコツを掴んでいるような打ち方で、いずれも鋭い打球だった。体の強さが出てくれば、もっと多くの長打が期待できるタイプではないか。

 千葉商大附は平山以外にも実力の高い選手が多い。3番・浦部は178センチ86キロとがっしり体型をした右のスラッガータイプで、佐倉シニア時代は及川(東海大相模)とチームメイトだった。「千葉商大附で勝負したい」という思いで入学し、現在は三塁を務めながら、投手もこなす。将来性は完全に野手だが、馬力も大きい打者といえる。4番・三橋も右の強打者で、太ももの強さ、スイングの強さは今年の県内注目選手に入ってもおかしくない。

 ただ、この試合は走塁で判断ミスで点を取れなかったケースがいくつかあり、吉原監督もこの試合の反省点に挙げていた。振れる選手が多いので、状況に応じた走塁ができるだけでも、得点力、攻撃力は大きく変わってくるだろう。

 敗れはしたが、前チームから我孫子二階堂の4番を打っている金子陸は楽しみな左の強打者だ。太ももも太く、前足を強く踏ん張って鋭く腰を回転させたフォームから繰り出す打球は鋭さがあり、結果はあまり出ていなくても、メカニズム自体は我孫子二階堂の選手の中で最も優れていた。球際が強い守備も魅力的で、今後も注目していきたい選手だった。

(記事=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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