試合レポート

鳴門渦潮vs板野

2020.07.12

最速147キロ右腕・仁木 登真(鳴門渦潮)「打」で勝利に貢献!

鳴門渦潮vs板野 | 高校野球ドットコム
この日は3番中堅手で先発・2本の二塁打を放った鳴門渦潮・仁木 登真(3年)

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 「大会関係者の皆さんや、一緒に練習してきた仲間への感謝と、今まで野球をやってきてよかったという気持ちを込めて投げた」阿波3年・吉本 りりか二塁手によるストライク始球式で幕を開けた「徳島県高等学校優勝野球大会」初戦。

 今年・セガサミーでドラフト上位候補に上がる板野森井 絃斗が投げ、関西大で侍ジャパン大学代表補候補にも名を連ねる鳴門渦潮野口 智哉がダイヤモンドを駆け抜けた2017年「第99回全国高等学校野球選手権徳島大会」決勝の再来は中盤まで緊迫した展開となった。

 鳴門渦潮の最速143キロ右腕・鈴木 連(3年・右投右打・177センチ80キロ・徳島市加茂名中出身)が「質と重さを意識している」最速140キロ・常時130キロ後半のストレートと「有効に使えた」120キロ台のカット系スライダーで0を並べれば、板野先発の谷原 誠斗(3年・180センチ66キロ・右投右打・藍住町立藍住中出身)は最速122キロながらナチュラルにシュートするボールと、110キロ台のシンカーを駆使し、こちらも4回まで0を並べていく。

 そんな投手戦のスコアが動いたのは5回裏。鳴門渦潮は二死三塁から「フライアウトが多かったので逆方向を意識していた」2番・大谷 航太(3年・二塁手・右投左打171センチ・70キロ・阿波市立阿波中出身)が左中間を破る先制二塁打。ここで守備タイムを取った板野内野陣を見やりながら、続く3番・仁木 登真(3年・中堅手兼投手・175センチ84キロ・右投右打・鳴門市鳴門中出身)は「ある読み」を定めていた。

 「1打席目でヒット(左中間二塁打)が打てて、二打席目(中飛)の感覚も悪くなかった。そこで三打席目は初球を打とうと思いました」最速147キロ右腕として鳴らす投手心理も活用しての迷いなきスイングは、右中間をあっという間に突破する適時二塁打となり、試合の流れを決定付けたのである。

 結果、鳴門渦潮は鈴木が7回7安打10奪三振。8回表は徳山 一翔(176センチ81キロ・左投左打・海陽町立海陽中出身)が1四球を与えるも3奪三振。最終回は「試合前に起こした過呼吸の影響でストレートが投げ切れなかった。迷惑をかけてしまった」仁木が最速144キロこそ出すも二塁打・四球を与え交代。ただ、再びマウンドに戻った鈴木が1安打を許すも3奪三振で締め、16奪三振での完封リレーを完成させている。

 一方、敗れた板野も3投手に対し鳴門渦潮と同じく9安打と健闘。6回表は二死一・三塁。最終回は二死満塁と最後まで攻めの姿勢を貫いたが、「あと一本」に泣いた。

(取材=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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