東京実vs國學院
チャレンジャー精神で東京実で7回コールド勝ち!
東亜学園を破って勢いに乗る・東京実。国学院との一戦は初回から大きく動いていく。
先頭の1番・大嶋海斗が出塁すると、2番・佐藤優斗の死球と相手バッテリーのミスでチャンスを作ると、5番・飯塚大雅がセンターへのタイムリーで幸先よく2点を先取する。
東京実の先発は背番号10の井伊翔太。ノーワインドアップで左足をくいっと上げてから、じわりと重心移動をして、思い切り腕を振り抜くサイドスローのピッチャー。普段からヒップファーストを使えるように、ブルペンで練習を重ね来た井伊。その成果がわかるフォームであり、軸足にはしっかりタメができている。加えてリリース時までリラックスすることでボールには力が伝わっており、威力は十分。そのボールに國學院はストレートをなかなか捉えられないが、時折投げ込むスライダーやカーブも駆使して試合の主導権を握る。
2回には4番・松原龍之介のタイムリーなど打者一巡の猛攻で一挙5得点。4回には7番・早川修太朗の内野ゴロの間にもう1点を入れて8対0とする。
4回に國學院の5番・渡邊智也と6番・鈴木蒼空の連続ヒットでチャンスを作られると、代打の成田智哉のショートゴロに間に1点を失い8対1となるも、マウンドの井伊は落ち着いて後続を断ち切る。
5回は互いに点数を奪い9対3で折り返すと、7回に5番・飯塚のセンター前のタイムリーなどで12対3として勝負あり。先発の井伊は最後まで投げ切り、最後は1点を失うものの12対4で東京実が3回戦を突破した。
試合後、山下監督は「27個のアウトをどうやってとる?逆にどうやって有効に使うか。そのあたりのことを試合前に話しましたが、27個のアウトをしっかりとれなかったですね。そういうのは隙だとか、準備不足です」と記録された2つのエラーを反省したが、決してネガティブにはとらえていない。
「東亜学園さんを倒せたのは守り勝てたからので自信にしても良いとも思います。ですが今日は隙があったのでエラーが出ました。隙を作るとこうなる、次の試合からミスが重くなるので、今日は勉強になる試合だったと思います」
またバッティングでは低めのボールの見極めを課題に挙げた山下監督。次の試合でどこまで修正できるかポイントだが、今日の試合で7回3失点で完投した先発の井伊にも話を聞いた。
「先発は1か月ぶりで緊張しました。それでも最初は持ち味であるインコースのストレートで行こうとなりましたが、中盤から打たれたので、変化球中心に変えました。それでも序盤から甘いボールが多いですし、最後にセンター前を許してしまいました。もう少し低めで勝負しつつ、インコースにはストレート。アウトコースには変化球をしっかり投げ込めればと思います」
そして主将で4番。今日は2安打3打点をマークした松原は、「4番を打たせてもらっていますが、自分は長打というよりもアベレージ、中距離バッターなので繋ぐことを大事にしています。なので、コースに逆らわずリラックスして打てるようにしています」と、あくまでフォア・ザ・チームだと語る。そんな松原が一番大事にしているのが、バットを握ったときの感触だ。
「指先にしっかりバットがかかっていれば問題がないか。あとは握ったときの力加減でコンディションはなんとなくわかります。その中で、その日の自分に合った握りを見つけて、スイングをするようにしています」
次の相手は城西大城西。「東亜学園の時も相手が格上ですが、自分たちは謙虚に相手に向かっていけたこと。あとはしっかり準備できたことを試合に生かせたのがよかったです。これから先は強いチームとの試合ですので、チーム皆で挑戦者の気持ちで挑んでいければと思います」と松原主将は意気込みを述べた。このまま一気に上位進出となるのか。チャレンジャー精神で戦う東京実に注目だ。
2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会西東京大会
■開催期間:2019年7月6~7月26日(予定)
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