試合レポート

龍谷大平安vs八戸学院光星

2018.08.15

龍谷大平安が17安打で14得点!エース・小寺も1失点の好投で八戸学院光星を投打に圧倒!

龍谷大平安vs八戸学院光星 | 高校野球ドットコム

 第100回全国高校野球選手権大会の11日目。第4試合の2回戦は安井 大貴(3年)のサヨナラ打で甲子園春夏通算100勝を挙げた龍谷大平安(京都)と、東 健太郎(3年)の2本塁打などで延長10回までもつれた打撃戦を制してきた八戸学院光星(青森)が対戦した。

 センバツでは過去2度対戦し、いずれも龍谷大平安が勝利している顔合わせ。夏の甲子園では初対決となるが、八戸学院光星が一矢報いることができるかという一戦。
2回表、龍谷大平安は4番の松田 憲之朗(3年)が初球のスライダーをレフト前ヒット。馬場のバントは八戸学院光星の先発・福山 優希(3年)の正面に転がるが二塁へ高投してしまい一二塁。田島 光祐(3年)はしっかりと犠打を決めると、続く佐野 夢人(3年)はサード右へのゴロ。三塁手の下山 昂大(2年)はホームへ送球するが三塁走者・松田の滑り込んだ足の方が早く先制(記録は野選)。さらに小寺 智也(3年)はスライダーをセンターへ適時打。9番・北村 涼(2年)の遊ゴロはエラーを誘い、この回一気に3点を奪った。

 八戸学院光星はその裏。死球と犠打で一死二塁と龍谷大平安の小寺を攻めると、7番・但井 智哉(3年)は外寄りの真っすぐを捉えてレフトへタイムリーヒット。すぐに1点を返した。
 しかし、龍谷大平安は攻勢を掛ける。3回表、安井がインコースのスライダーを思い切り引っ張って三塁線を破るツーベース。松本 渉(3年)も右前打でつないで一三塁とすると、松田の一打は詰まったショート後方への小フライ。武岡 龍世(2年)が必死にグラブを差し出すがポトリと落ちるタイムリーとなって三塁走者が生還。ここで八戸学院光星は投手を左腕の成田 太一(3年)にスイッチするが、送りバントで二三塁とした後、田島が前進守備の二塁手の右を抜く2点タイムリーを放って6対1とリードを広げた。

 なんとか追い上げたい八戸学院光星は5回裏、先頭の成田がセンター前ヒット。近藤 俊太(3年)のセカンドゴロがゲッツー崩れになって走者が入れ替わり、次打者・武岡の打席の1ボール2ストライクからスタート。しかし、武岡はインローの縦のスライダーに空振り。近藤も二塁でアウトになり三振ゲッツー。6回裏は一死から東が四球で出塁するが、5番・下山はアウトコースの真っ直ぐを引っ張りショートゴロでダブルプレー。これで2イニング連続の併殺となると、流れは再び龍谷大平安へ。

 7回表は安井、松本の連打などで二死二三塁とし、馬場はピッチャー返し。二塁手の近藤が飛びついてグラブに当てるもボールがこぼれている間に2者が生還。8回表は3番手の中村からヒットと犠打で一死二塁とし、水谷 祥平(2年)と安井が連続タイムリー。9回表にも小寺と安井がそれぞれ2点適時打を放つなど、終わってみれば龍谷大平安が14対1の大差で八戸学院光星を下し、03年以来となる夏ベスト16を決めた。

 龍谷大平安は投打に隙のない野球で大勝。投げてはエース・小寺が140キロを超える伸びのあるストレートと縦、横のスライダーを織り交ぜた投球で5安打1失点の完投勝利。打っては17安打にエンドランを絡めた多彩な攻めで14得点。猛打の影に隠れがちだが犠打は5つで、進塁打も目に付いた。また、2回の一死一三塁の場面では前進守備を敷いてこない相手守備陣に対して、9番の北村は「なんとしてでもゴロを打つんだ」という気持ちが見えるバッティング。最後は高めのスライダーをさらに上から叩いてショートゴロを打ち、追加点を奪った。

 八戸学院光星は自慢の強力打線が散発5安打に抑えられ、4番の東も縦のスライダーにタイミングが合わず2三振と封じられた。守備面でも、エース・福山は勝負どころでスライダーが高めに浮くなど精彩を欠き、バックも投手陣を支えきれなかった。

 投打に素晴らしいプレーを見せた龍谷大平安。3回戦は大会13日目の第4試合で日大三(西東京)と対戦することが決まった。また、この試合でベスト16が出揃った夏の甲子園。明日からは3回戦が行われる。

(記事=文:大平 明

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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