折尾愛真vs飯塚
まさに「フライボール革命」!折尾愛真が10本塁打で甲子園初出場
12対9と壮絶な打撃戦を制し、初の甲子園出場を決めた折尾愛真。6試合で10本塁打を記録した長打力が甲子園でも注目を浴びそうだが、もっと長打力の中身について紹介したい。
折尾愛真の強打の秘密。それは「フライボール革命」にあるのではないか。今年の折尾愛真はかちあげるスイングをする選手が非常に多い。特に1番長野 拓馬(3年)、3番松井 義弥(3年)、5番野元 涼(3年)の3人は、フライボール革命を実現している選手だといえる。
2回裏、二死満塁から満塁本塁打を放った長野。構えが実に柔軟だ。グリップの位置は低く、バットを揺らし気味に構えている。そして投手の足が着地したところ始動を仕掛けていき、小さく足を上げながら真っすぐ踏み込んで打ちに行く。トップを深く取り、一度、バットを寝かせた状態にして、そこからボールの下を叩くスイングを行う。寝かせ気味ながら、両肘をしっかりとたたんでスムーズなスイングを実現。それが長打力を生んでいるといえる。
またプロ注目とされる松井はバランス型の選手だ。スクエアスタンスでバットを立てて構える姿はバランスが良い。野元、長野と比べると、かち上げするスイングではない。ただレベルスイングで、190センチの長身ながら膝を使って、低めをきれいに打ち返す打撃技術は非凡なものがある。今大会に限って、6本塁打した野元と比べると物足りなさを感じるかもしれないが、三塁手としての動きを見ると運動能力の高さはある選手であり、甲子園でどれだけ爆発するのか、期待したい選手だ。
野元はまさにフライボール革命を体現したスラッガー。ボールをかち上げするスイングは柳田悠岐を彷彿とさせる。右足を開いたオープンスタンス。始動の仕掛けは早く、足を回しこむように上げていき、間合いを測る。そこからトップを深くとっていきながら、バットを寝かせ気味にしていき、両肘をたたんで振り抜く。野元は打てるポイントが広く、高めのボールや内角も打てて、対応力は広いタイプだ。
6試合で10本塁打。折尾愛真の「フライボール革命」は甲子園でも発揮できるか。前評判通りの打撃を甲子園で見せれば…。大きく話題になるチームであることは間違いない。