大阪桐蔭vs東邦
大阪桐蔭打線が今週も炸裂!17安打で東邦投手陣を攻略!
4打点の石川瑞貴(大阪桐蔭)
大阪桐蔭はハイレベルな相手との対戦が続いている。26日は近畿大会で延長10回を戦った後、そのままバスで神奈川へ赴き、27日は日体大と2試合。6月2日、3日は近畿大会を消化してきた。
そして9日、大阪桐蔭は愛知県の招待試合に参加。大阪桐蔭目当てに[stadium]刈谷球場[/stadium]には1万人の観客が詰めかけていた。
第1試合で大阪桐蔭は、この春東海王者の東邦と対戦。東邦の先発は189センチの大型右腕・扇谷 莉(3年)。大阪桐蔭の先発は根尾昂。「先発・根尾君」とコールされると、[stadium]刈谷球場[/stadium]はどっと沸いた。
まず先制したのは東邦だった。一死満塁のチャンスから5番梅田昂希(3年)が一塁線を破る適時二塁打を放ち、2点を先制。さらに二死二、三塁から7番山本泰正(3年)が右前適時打。二塁走者も本塁を狙ったが、大阪桐蔭のライト・青地斗舞(3年)の好返球でアウト。この回は、3点を先制した。
だが大阪桐蔭はすかさず反撃。4番藤原恭大(3年)の痛烈な中前安打、5番根尾の右前安打で、無死一、三塁のチャンス。6番大阪桐蔭 山田健太(3年)が凡退したが、7番石川 瑞貴(3年)がストレートを捉えレフトスタンドへ飛び込む同点3ラン。さらに3回表、無死一、二塁から3番中川 卓也(3年)がライト線を破る二塁打を放ち、勝ち越し。さらに藤原の犠飛で5対3とした。
5回表には、二死二、三塁から6番山田健の打席でバッテリーミスで1点を追加。なおも二死一、三塁から6番石川が右前適時打で4打点目。それにしても石川の急成長ぶりは恐ろしい。これで日体大戦の第1戦、智辯学園戦と3週間連続で猛打賞達成である。
石川に好調の要因を聞くと、日体大戦の影響が大きいようだ。
「日体大の投手は140キロを超える投手が多いので、普通にやっていたら振り遅れるのは間違いないので、短く持ってコンパクトに最短距離で振ることを意識しました。また、日体大の打者も自分たちもワンランクもレベルが上でした。そういう打者が、コンパクトに振っているのを見て、学ばないといけないと感じました」
日体大戦の4安打は打撃の感覚をつかむうえでも大きな試合だった。その感覚を今も維持できているという。これほど高次元な打撃ができる選手が7番を打っているのだから恐ろしい。
2安打を放った梅田(東邦)
6回表にも相手の敵失などで9対3と点差を広げた。
根尾は立ち上がり、ストレートが最速145キロを計測するも、高めに浮いた球を狙われていたが、2回以降は140キロ前後の速球、130キロ中盤のスライダー、120キロ後半の縦スライダー、110キロ台のカーブを内外角に散らしながら、安定感抜群のピッチングで8回まで安打を打たせなかった。
大阪桐蔭は8回表、3番中川にも本塁打が飛び出し、さらに9回表にも俵藤(3年)の2点適時二塁打と強打で圧倒。一方、東邦も8回裏には2番林の本塁打、9回裏には犠飛で1点を返したが、反撃はここまで。
大阪桐蔭が12対5で勝利した。計17安打と甘い球を見逃さない打撃は見事だった。
【試合後の談話】
東邦・森田監督
「うちの投手陣では打たれることはある程度想定をしていましたが、やはり打たれてしまいました。振り返ると、投げミスがありましたし、大阪桐蔭のような強いチームには、守備のミスは絶対ダメですよね。そこが反省点です。
ただ打線はよく頑張ってくれました。根尾君はなかなか打てないと思っていて、打つのは初回しかないと思っていたのですが、良く打ってくれたと思いますし、自信になったと思います。ただ根尾君のスライダーの切れが素晴らしく、なかなか打てませんでした」
2安打を打った梅田昂季選手
「第1打席のヒットはスライダーです。ストライクに来たボールは全部振ろうと思ってしっかりと捉えることができました。第4打席はストレートでした。ただ、根尾君はあまり表情は変えません。だから見下ろされているかなと思って、2安打を打っていたとしても悔しかったです。また夏にやりたいですし、打撃は今のスタイルを大事にして、守備ではミスが多かったのでそこはしっかりと直していきたいです」
4番石川昂弥選手
「第1打席の安打はストレート。本当に速かったですし、なんとかついていけたかなと思います。それ以降はスライダー、ストレートと同じ腕の振りで投げられるので、非常に打ちにくかったです。夏はああいう投手から打たなければ甲子園に行けないと思いますし、もっとレベルアップをしていきたいと思います」
(取材・写真=河嶋 宗一)