霞ヶ浦vs取手松陽

　取手松陽の先発は背番号16の左腕・荒井陽裕（2年）が、霞ヶ浦の先発は背番号3の左腕・齋藤康徳が任された。

試合は1回裏に大きく動く。霞ヶ浦は3連続四球でいきなり無死満塁のチャンスを迎える。取手松陽はここで2番手に背番号10の右腕・山田北斗を投入するが、霞ヶ浦打線の猛打が爆発する。4番・木村翔大のセンター前ヒットでまず1点を先制する。続く5番・益子侑也のライト前ヒットで1点。6番・齋藤康徳のファーストゴロゲッツーの間に1点。さらに7番・天野海斗（1年）のレフト前ヒットで1点を追加しこの回一挙4点を奪う。

　3回裏、取手松陽は先頭打者に四球を与えると、3番手に背番号11の本橋柊をマウンドへ送り後続を断つ。

4回表、取手松陽は四球のランナーを内野ゴロで二進させ始めてのチャンスを迎えるが、5番・平 尚真（2年）は空振り三振に倒れる。

7回裏、霞ヶ浦はエラーと内野安打と四球で無死満塁のチャンスを作ると、7番途中出場・権藤虎之助のレフト犠牲フライで5点目を奪う。なおも一死満塁とチャンスは続くが得点を奪えない。

8回表、取手松陽は7番代打・島崎俊介の内野安打と1番・松本胤紀のライト線ツーベースで二死二、三塁のチャンスを作るが、2番・高橋楊はレフトフライに倒れる。

　8回裏、霞ヶ浦は先頭の1番・小儀純也（2年）がレフトオーバーツーベースで出塁し、送って二死三塁から、4番・木村のレフト前ヒットで6点目を奪う。

9回表、霞ヶ浦は2番手に背番号1の右腕・遠藤淳志を送る。
取手松陽は3番・古田島成龍からの好打順だが、三者凡退で試合終了となる。

第2シードの霞ヶ浦が6対0で取手松陽に勝利し3回戦進出を決めた。
霞ヶ浦は先発左腕の齋藤康徳（3年、常総シニア）が130キロ前半のストレートと変化球を丁寧に低めに集め8回を散発被安打4に抑えた。

9回に登板したエース右腕・遠藤淳志（3年、新治中）は140キロを計測し、威力十分なボールで相手打線を寄せ付けなかった。
打撃陣は1回の相手にもらったチャンスを逃さず連打で畳み掛け、試合の主導権を握った。中でも4番・木村翔大は3度迎えたチャンスで2安打2打点と勝負強さを見せた。また、1番・小儀は2安打1長打と気を吐いた。

取手松陽は1回の大崩れ後、3番手の本橋が3回以降を4安打2失点に抑える好投を見せた。野手陣もよく声を掛け合って気持ちを立て直して粘ることができた。チーム安打4本のうち、主将で1番の松本が2安打を放つ活躍を見せた。

茨城最速の146キロ右腕・古田島成龍は夏の直前に故障して今大会の登板を回避した。春に牛久で披露した馬力のある投球に魅了され、この日、古田島目当てに球場に足を運んだ高校野球ファンは少なくないはずだ。怪我が癒えたら今後も野球を続けて欲しい。

(文＝伊達 康)

注目記事
・第99回全国高等学校野球選手権大会　特設ページ