試合レポート

木更津総合vs千葉経大附

2016.07.25

早川隆久、5失点ながら完投勝利!木更津総合が決勝の舞台へ!

 準決勝第2試合、決勝への切符をかけた最後の戦いは、両エースの投げ合い。最後まで気の抜けない試合となった。

 木更津総合は絶対的エース・早川 隆久、そして千葉経大附はこちらも好投手・中村 亮太の先発で始まった試合、まず動かしたのは木更津総合だった。
2回表、木更津総合は先頭の4番・鳥海 嵐万がエラー、5番・山下 輝が内野安打で出塁。どちらも中村としては打ち取ったものだが、当たりが悪すぎて功を奏した形だ。続く6番・細田 悠貴が送り一死二三塁。ここで7番・井上瑞樹がセンターへ犠牲フライを放ち、木更津総合が1点を先制する。

 木更津総合先発の早川は、上々の立ち上がり。テンポよく、かと思えばボールを長く持ったりと一辺倒では無い投球で相手のリズムを狂わせる。千葉経大附の各バッターは「追い込まれる前に」とでも言うように早いカウントから手を出し、打ち上げてアウトにされてしまう。
それでも打順が2巡目に入ると、千葉経大附が徐々に早川を捉え始める。

 そして5回裏、千葉経大附は先頭の6番・保谷 雄志がヒットで出塁。これで3イニング連続で先頭打者が出塁となる。7番・古茶 椋汰がバントで送り、一死二塁。二死となった後、9番・中村 亮太が自らタイムリーを放ち同点に追いつく。さらに1番・小川 寛智がヒットで続き二死一二塁。さらに2番・滋野 航太が四球を選び、二死満塁とすると、3番・長谷川 武がレフト線へ2点タイムリーツーベースを放ち勝ち越しに成功。さらに4番・坂巻 尚哉がライトの頭上を越すタイムリースリーベースで2点を追加と、この回一挙5点を奪い逆転、リードを広げる。

 一方、千葉経大附先発・中川は、失点した2回以外は先頭打者を抑えチャンスを作らせない。逆転した後の回も木更津総合のクリーンナップを三者凡退に抑えるなど隙が無い。しかし相手は選抜で幾多の修羅場を体験してきた木更津総合。やはり反撃が待っていた。

 7回表、木更津総合は先頭の6番・細田がサード強襲のヒットで出塁。盗塁、エラーで三塁まで進むと、一死三塁から8番・早川がファーストへ内野安打を放ち、1点を返す。さらに9番・大澤 啓夢がヒットで続き、一死一二塁。そして1番・峯村 貴希の打球はセンター前へ。1点追加と思いきや、さらにこの打球処理にもたつく間にランナーが2人還り1点差に。打った坂巻は二塁へ進み、その後二死三塁となった後、3番・小池がタイムリーを放ち、この回4点目。お返しとばかりに一気に同点に追いつく。

 こうなると、やはり木更津総合が底力を見せてくる。8回にもチャンスを作り、得点には至らずとも千葉経大附を揺さぶると、その裏の攻撃を3人でぴしゃりと抑え勢いを完全に削ぐ。そして9回表、一死から2番・木戸涼がツーベース、3番・小池が内野安打で出塁。一死一三塁とすると、4番・鳥海がセンターへと打球を飛ばす。犠牲フライには十分。木戸がホームへと還り1点勝ち越し。
その裏の攻撃を3人で抑え千葉経大附を振り切ることに成功。6対5で勝利し決勝戦へと駒を進めることとなった。

 早川は失点した5回裏、実はその直前の攻撃で死球を受けており、その影響も出たか?とも思われた。しかしそれを言ったら千葉経大附の中村も3回に死球を受け、その後を抑えている。影響があったとしても、それを言い訳に使うには早川にも失礼だろう。ともあれ、ストライク、ボールがはっきりしていたし、投球の間等も一辺倒だったように見える。だがそこから立て直して6回以降を抑えたのは、様々な経験を積んできたからこその強さゆえだろう。今日のこの「5失点しながら完投し、勝つ」という経験が明日の決勝にどう生きるか、注目したい。

(文=青木 有実子

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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