試合レポート

早稲田実業vs明大明治

2016.07.16

頼れる男・金子銀佑!4安打3打点&好守でチームを鼓舞!

 この日、昨夏の覇者で、清宮 幸太郎野村 大樹などスターを擁する早稲田実業と戦うのは、こちらも人気校である明大明治。土曜日ということもあり、[stadium]ダイワハウススタジアム八王子[/stadium]には高校野球ファンはもちろん各校の応援団、OBなども詰めかけ試合開始の1時間前には内野席はほぼ満員。試合開始時には外野にも人が溢れるという大盛況だ。

 最初にチャンスを作ったのは早稲田実業だった。金子 銀佑がヒットで出塁すると、橘内 俊治がバントヒットを決め、清宮は四球と、いきなり無死満塁で打順は4番・野村へ。
明大明治先発・柳澤 憲人はここから気持ちの強さを見せ、野村をショートゴロに打ち取ると、続く工藤 航輔をゲッツーに取り、一気に大ピンチを切り抜ける。

 ピンチの裏にチャンスあり。勢いに乗る明大明治は先頭の吉田 健吾がヒットで出塁。バントで送った後、柳澤もヒットで続き一死一三塁。そして続く島倉 巧がスクイズを決め、1点を先制。さらに柴田 哲志がタイムリーツーベースで続き、この回2点を奪うことに成功する。

 その裏、早稲田実業は一死一三塁とチャンスを作り同じくスクイズを試みるが打球が強く失敗。早稲田実業の応援スタンドからはため息が漏れる。しかし続く金子がタイムリーを放ち、なんとか気持ちをつなぐ。
金子は4回にも一死二塁からタイムリーツーベースを放ち、チームはこれで同点に。チャンスを潰し続けるチームにあって、頼もしい主将ぶり。逆転勝利に向け、守備でも華麗なプレーでチームを盛り立てていく。

 投げては2回途中からマウンドに上がった背番号1・吉村 優が好投。6回まで二塁を踏ませないピッチングで明大明治の勢いを鎮静化させる。打者としてもヒットと四球で出塁し、金子のタイムリーで2度とも生還する活躍を見せる。

 すると6回裏、早稲田実業はその吉村が出塁。バントで送った後、一死二塁から金子がこの日3打点目のタイムリーを放ち逆転する。この流れに乗らない早稲田実業上位打線ではない。橘内のヒットとエラーで金子は一気にホームへ。橘内も三塁に進み、一死三塁で清宮。1ボールからの2球目をライトへのタイムリーツーベースとし、さらに野村もレフトへのタイムリーツーベースで続き、この回4点。一気にリードを奪う。

 その後何とか反撃したい明大明治だったが、7回から代わった服部 雅生に抑えこまれ、得点ならず。高校版「早明戦」は、早稲田実業に軍配が上がることとなった。
早稲田実業はこの日、金子のみならず、ライトの工藤も堅実な守備で投手陣をサポート。守備からリズムを作っていくという部分も見せてくれた。打線は水物と呼ばれることもあるが、その打線が上手くかみ合わない時でも慌てることなく守備でプレッシャーを与えていくあたり、昨夏覇者のしたたかさを感じさせる試合だった。

(文=青木 有実子)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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