【春季栃木県大会】昆野太晴(白鷗大足利)が150キロ連発で覚醒か! 秋のコールド負けから平均球速も急成長
昆野太晴(白鷗大足利)
【トーナメント表】春季栃木県大会 結果一覧
<春季栃木県大会:白鷗大足利3-0佐野日大>◇29日◇準々決勝◇清原球場
白鷗大足利の最速148キロ右腕・昆野 太晴投手(3年)が着実な進化を見せた。
これが今大会初登板となった昆野は立ち上がりから球場表示で最速149キロ、手元のスピードガンでも147キロをマーク。捕手ミットに突き刺す勢いのストレートで初回は三者凡退に打ち取り、3回表には空振り三振を奪ったストレートが球場表示で150キロを計測。4回表にも150キロを計測し、今年の県内最速に躍り出た。
150キロが出たことについては、「この春に目指してきた数字。それに到達できて嬉しいです。でも、これは通過点で、もっと球速を伸ばしていきたい思いがあります」と喜びながら、さらに高みを目指している。この冬はウエイトトレーニングなどフィジカルトレーニングに懸命に取り組んだ。その結果、体重は8キロ増量の86キロに。3回までの平均球速は手元のスピードガンだと139.9キロ。球場表示だと、143キロ〜150キロを常に出していたので、もっと高い数字になっていた。昆野も平均球速が上がったことに手応えを感じていた。
「150キロ出たことも嬉しいですが、アベレージが上がったことも嬉しいです。最速と平均との差がなければ、意味がないので」
変化球の精度も高まった。120キロぐらいだったスライダー、チェンジアップは120キロ後半までスピードアップ。変化も打者の手元で鋭く変化していた。
「冬の時期の投球練習では、握り方、指のかけ方などかなり工夫しました」
試行錯誤した結果が変化球の精度アップにつながった。8回まで11奪三振。すべて空振りだった。ただ6四死球を与えたことは反省点だった。
「前半は上半身、下半身が連動した投球フォームで投げられましたが、コントロールを乱した場面は手先でまとめようとして、リリースポイントが崩れてしまいました」
とはいえ、直球、変化球が昨秋から大きく成長。視察していたNPBスカウト陣へ大きなアピールとなった。
この春の目標は関東大会出場。昨秋は中央学院にコールド負けを喫し、その中央学院はセンバツ出場。ベスト4まで勝ち進んだ。
「県内のライバルは作新学院。だけど、県外で初めて倒したい相手が出来ました。関東大会に出場して、中央学院を破るために取り組んできました」
中央学院の存在が昆野のレベルアップの原動力となった。今回の投球を見ると、秋の敗戦は意味のある負けとなった。
チームも超強力打線を目指してフィジカルアップに励んできた。1番の大型外野手・松浦 舜外野手(3年)、4番八角 勇羽内野手(3年)など長打力のある打者が台頭し、守備も球際の強さが出てきた。それでも、直井秀太監督は「秋は昆野に頼りすぎてしまったので、それを頼らないチームを目指してきましたが、まだこの試合では課題が多く見えました。自分たちは先を見る余裕はないので、目の前の試合を全力で戦っていきたいと思います」と準決勝に向けて意気込みを語った。
準決勝の相手は逆転勝利で勢いに乗る國學院栃木。強敵を封じ、秋春連続の関東大会出場を実現する。
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