試合レポート

古河三vs波崎柳川

2016.04.28

古河三が3回に鮮やかな集中打。波崎柳川に4対3で逃げ切って2回戦進出!

古河三vs波崎柳川 | 高校野球ドットコム

須藤(古河三)

 水戸市民球場で行われた茨城春季県大会1回戦・第3試合は、波崎柳川古河三の対戦となった。3回表に4連打などで3点を先制した古河三が試合を優位に進める展開。波崎柳川は最終回に1点差まで詰め寄り、なおも無死満塁とするが攻め切れず、古河三が逃げ切って勝利を決めた。この試合、両チームの主力打者の活躍が目立ち、古河三の1番・渡邉昌希は5打数4安打と大暴れ。負けじと波崎柳川も3番・楠大樹が4打数3安打と打線を牽引し、接戦に持ち込んだ。

 この一戦を詳しく振り返っていきたい。
 先攻・古河三の先発はエース左腕・須藤佑介(3年)が、後攻・波崎柳川の先発は背番号7の右腕・朝日健介(3年)が任された。

 1回表、古河三は先頭の渡邉昌希(3年)がセンター前ヒットで出塁し、進塁打と四球で二死一、三塁とするが、5番・須藤はセカンドゴロに倒れる。

 1回裏、波崎柳川は二死から3番・楠大樹(3年)が右中間ツーベースで出塁するが、4番・中村誠也(3年)はショートゴロに倒れる。

 2回表、古河三は二死から8番・井上斗吾(3年)が右中間スリーベースで出塁するが、9番・高橋温大(3年)の当たりはサードのファインプレーに阻まれ得点に至らない。

 2回裏、波崎柳川は先頭の5番・朝日がライト前ヒットで出塁し、犠打とパスボールで二死三塁とするが、8番・林崎輝平(2年)は見逃し三振に倒れる。

 3回表に試合が動く。古河三は先頭の1番・渡邉がライト線ツーベースと2番・安田蓮(2年)の右中間ツーベースで1点を先制する。続く3番・田村優樹(3年)はライト前ヒットで無死一、三塁とし、4番・黒須亮(3年)もセンター前ヒットで続いてさらに1点を追加する。
波崎柳川はここで朝日をレフトの守備につかせ、2番手に背番号1の左腕・山村一貴(3年)を送る。

 無死一、二塁とし、5番・須藤はスライダーを見逃し三振で一死となるが、6番・池野谷晃大(3年)の送りバントは内野安打、山村からの一塁悪送球が重なって二走・田村が生還してさらに1点を追加する。なおも一死一、三塁とチャンスは続くが後続は三振に取られる。

古河三3対0波崎柳川

 5回表、古河三は4番・黒須が四球で出塁し、犠打と7番・小山恭兵(3年)のレフト前で二死一、三塁のチャンスを作る。8番・井上のカウント0ボール2ストライクのタイミングで、三走・黒須はホームスチールを仕掛けるが、ホームで悠々アウトとなり奇襲は失敗に終わる。


古河三vs波崎柳川 | 高校野球ドットコム

山村(波崎柳川)

 6回表、古河三は先頭の8番・井上が四球、9番・高橋の送りバントは送球エラーで無死一、三塁とする。ここで1番・渡邉は三遊間を破るタイムリーを放ち、古河三が1点を追加する。さらに送って一死二、三塁とチャンスを広げるが、3番・4番は連続見逃し三振に倒れる。

古河三4対0波崎柳川

 6回裏、波崎柳川は2番・海老沢、3番・楠の連打と送りバントで一死二、三塁とするが、5番代打・折笠蓮(3年)はショートライナー、6番・高島友来(3年)は空振り三振に倒れチャンスを生かせない。

 8回表、古河三は二死から1番・渡邉がこの日4本目のヒットとなるライトへのツーベースで出塁するが、2番・安田はキャッチャーフライに倒れる。

 8回裏、波崎柳川がようやく反撃に出る。二死から3番・楠がこの日3本目のヒットで出塁すると、四球とエラーで二死満塁までチャンスを広げ、6番・高島のセンター前ヒットで1点を返す。

古河三4対1波崎柳川

 9回裏、3点を追う波崎柳川は猛攻を仕掛ける。ヒットとエラーで無死一、二塁とし、1番・入野丈(2年)のライトへのツーベースで1点、さらに2番・海老沢のライト前タイムリーで1点を追加し、その差を1点とする。3番・楠は四球で無死満塁とチャンスを広げるが、4番・中村、5番・安藤は連続空振り三振に取られ万事休す。続く6番・高島はピッチャーゴロに倒れ試合終了となる。

 古河三が追いすがる波崎柳川を振り切って2回戦進出を決めた。

 粘り強い投球で勝利を収めた古河三先発の左腕・須藤佑介は、スリークウォーターの角度からひょうひょうとカウントを作る投手。7回まで四死球1とストライクが先行し、変化球主体の配球で波崎柳川打線を封じたが、終盤は球威の衰えが否めず、8回・9回で5安打を浴びた。最後は疲労がある中、無死満塁の苦しい場面で気迫の投球で1点を死守し勝利を手繰り寄せた。

 一方、波崎柳川の左腕・山村一貴はストレートにキレがあり、7イニングで7奪三振と、勝負どころで投じるチェンジアップが効果的に決まっていた。負けはしたが、夏につながる投球であった。

 バッティングでは、冒頭でも紹介したように古河三の1番・渡邉昌希が5打数4安打、波崎柳川の3番・楠大樹は4安打3安打と一際目立っていた。

 古河三は次戦、土浦日大と対戦する。

(取材・写真=伊達 康

古河三vs波崎柳川 | 高校野球ドットコム
注目記事
2016年度 春季高校野球大会特集

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.16

涙の甲子園デビューから大きくレベルアップ!前橋商の192センチの剛腕・清水大暉は、高速スプリットで群馬県大会19回1失点、22奪三振の快投!<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.05.16

【2024年春季地区大会最新状況】全道大会は出場校決定、関東と東海は18日に開幕

2024.05.16

U-18代表候補・西尾海純(長崎日大)、甲子園で活躍する幼馴染にむき出しのライバル心「髙尾響には負けたくない」

2024.05.16

【秋田】夏のシードをかけた3回戦がスタート、16日は大館鳳鳴などが挑む<春季大会>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?