試合レポート

県立柏vs芝浦工大柏

2015.08.23

終盤に一気に爆発で柏対決制した県柏、県大会進出決める

4併殺と投球の上手さが光った藤田君(県立柏)

 つくばエクスプレスが開業して10年余が経過して、沿線の街は年ごとに開発されて発展しているように感じる。秋葉原駅から快速で約30分の所にある柏の葉キャンパス駅が[stadium]県立柏の葉公園野球場[/stadium]の最寄り駅となる。この公園は、ドッグランも可能な施設やJリーグ柏レイソルのホームスタジアムで高校ラグビーなども行われる競技場などもある一大公園となっていて、野球場もその一角を占めている。

 両翼98mで中堅122mという広さで、時にプロ野球のイースタンリーグの試合も開催されるくらいである。
ただ、後発ということもあって、高校野球の試合開催には、他の各球場との綱引きなどもあって、やや時間がかかったようだ。それでも、こうして大会が開催されるようになった。そして、この日は県大会を目指す地区代表決定戦となったのだが、柏市内の4校が終結した。

 初回に、無死一三塁というピンチを牽制球アウトと併殺で切り抜けた県立柏はその裏、すぐに先頭の加藤君が右前打して相手送球ミスなども重なって二死満塁。ここで、6番東海林君が右前へタイムリー打して先制した。県立柏はピンチをしのいで、その後に得点、文字通り「ピンチの後にチャンスあり」ということだったのだが、6回にもそれを実践してみせた。

 4回に連続失策があって、同点に追いつかれていた県立柏。グラウンド整備後の6回、1番からの好打順の芝浦工大柏が宮下君、小野君と連打して無死一二塁とする。しかし、バントが不正打撃となり、その後も併殺で切り抜けるとその裏、先頭の2番斎藤君が左前打すると、バントで進め4番鈴木君のタイムリーで再びリードする。
さらに、船田君もつないで、ボークで二三塁となる。ここで、東海林君が今度はしっかりとスクイズを決めた。

 これで、完全にペースをつかんだ県立柏は、藤田君も7回、8回は3人ずつで抑えていいリズムとなっていく。
そして8回は相手内野陣の守りのミスなども重なり、加藤君や鈴木君のタイムリー打などで5点を奪い、そのままコールドゲームとなった。

 県立柏は派手さはないものの、4併殺という数字でも表れているように、取るべきアウトはきっちりと取っていくという姿勢が窺えた。4回の失点は失策絡みだったものの、その後は併殺で切り抜けていくなど、慌てずしっかりと守れたことが勝因と言っていいだろう。イニング前のフィールディングでは内野手がグラブを外して素手でゴロを処理するなどということも試みていた。そんな工夫も、自分たちのやれる範囲でやっていこうという姿勢の表れなのだろう。

(文=手束仁


関連記事
・2015年秋季大会特設ページ
・あの学校の取り組みは?!千葉県の野球部訪問を一挙紹介!

2015年秋季大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.15

獨協大の新入生に専大松戸の強打の捕手、常総学院のサード、市立船橋のトップバッターが加入! 早くもリーグ戦で活躍中!

2024.05.16

涙の甲子園デビューから大きくレベルアップ!前橋商の192センチの剛腕・清水大暉は、高速スプリットで群馬県大会19回1失点、22奪三振の快投!<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.05.16

【2024年春季地区大会最新状況】全道大会は出場校決定、関東と東海は18日に開幕

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.12

学法石川の好捕手・大栄利哉が交流戦で復帰! 実力は攻守ともに世代トップクラス!身長200センチ右腕を攻略し、完封勝利!

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?