松山東vs松山南
緊迫の「スミ1ゲーム」
114球7安打2奪三振無四球完封の松山東・亀岡優樹(1年)
初回・松山東は二死から3番・村上 貴哉遊撃手(2年・主将)の二塁まで8秒06で到達する左翼「前」二塁打からつかんだ一・二塁から5番・國政 隆吾捕手が適時左前打。が、その後は弘前学院聖愛・小野 憲生(3年)を髣髴とさせるライズ系右サイドハンドの松山南エース・青木 孝洸(2年)の粘りの投球にあと一本が出ず0を並べることに。
しかし、青木以上に素晴らしかったのは「強い責任感を持ってマウンドに立った」松山東の1年生右腕・亀岡 優樹である。松山南・堀口政明監督が「ストレートに力負けしていたし、変化球も低めストライクゾーンに決まっていた」と振り返ったように、横滑りするスライダーとストレートのコンビネーションで27アウトのうち9個を内野ゴロで仕留める巧みの投球を披露する。
そして、クライマックスは9回表にやってきた。松山南は二死無走者から4番・水口 貴仁左翼手(2年)が左翼線二塁打。続く青木もファーストミットを弾く安打。「これで同点!」誰もが思った瞬間、松山東9番・田中 一朗のレーザービームが國政に突き刺さった。
勝った松山東が見事なのはもちろんだが、敗れた松山南も見事。済美・安樂 智大(2年)登場の第1試合(2013年09月16日)と比べ観衆は10分の1に減ったが、緊迫感は第1試合の10倍感じることができる「スミ1ゲーム」であった。
(文=寺下友徳)