試合レポート

仙台育英vs聖光学院

2013.06.11

仙台育英vs聖光学院 | 高校野球ドットコム

佐久間悠次(聖光学院)

聖光学院が3連覇を逃すも収穫あり

2011年は東日本大震災で中止となった春の東北大会。その前年(2010年06月05日)と昨年の決勝は、聖光学院仙台育英が戦っていた。結果は聖光学院が2連勝し、連覇していた。そのカードが、今大会は準決勝で実現した。

仙台育英の先発・鈴木天斗は初回を三者凡退に抑え、さい先のよいスタートを切った。

聖光学院は初戦で好投した佐久間悠次が先発マウンドに立った。しかし、仙台育英の1番・熊谷敬宥に1ボールからレフト前へヒットを許すと、2番・菊名裕貴には同じく1ボールからセンター前に運ばれ、無死一、二塁。ここで3番・長谷川寛が右翼線へ2点タイムリー二塁打を放った。ここから、4番・上林誠知と5番・佐藤聖也をレフトフライに、6番・加藤尚也をサードゴロに打ち取って切り抜けたが、流れは仙台育英がつかんだ。

2回には一死から8番・福田義基がレフト前ヒットで出塁し、9番・鈴木が右中間にタイムリー三塁打。二死三塁から2番・菊名裕貴がセンター前にタイムリーを放って、この回も仙台育英は2得点。3回には、4番・上林が四球、5番・佐藤が内野安打、6番・加藤が犠打を決めたところで、聖光学院は佐久間から、エース・石井成に代えた。三振で二死目を奪ったが、8番・福田にライト前ヒットを許してさらに1点を加えられ、聖光学院は3回までに5対0と引き離された。

聖光学院が得点したのは4回表、2番・西村大樹が四球、一死後、4番・園部聡が内野の頭を越えてレフトへヒット、一死一、二塁として5番・石野佑太がレフト前ヒットで続いた。打球方向が変わったこともあり、二走・西村がホームイン。

やっと1点を返した聖光学院だったが、直後に一死一、二塁から上林にセンター前ヒットを許し、またも5点差に広げられた。


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石井成(聖光学院)

だが、5回以降、聖光学院・石井の前に仙台育英打線の快音は止まった。聖光学院・斎藤智也監督は「石井には肩の療養のためにシャドーピッチングとトレーニングをさせてきたんだけど、今日なんか、投げ終わった後に右足一本で立てるようになってたもんね。その辺は成長したなと思います。育英さんは二巡目でビッグイニングを作るけど、石井との三巡目なんか、見応えがあったね。石井の方が終盤、よくなった。これでピッチングの幅も広がったと思います」と話した。

攻撃に関しては、8回に園部のタイムリーで1点を追加したが、9安打で2得点。斎藤監督は「ヒットと得点の開きが大きいよね。去年(の決勝)は21安打で8点。今日は9安打で2点。四死球が絡んで失点するとか一切ない。それが、明治神宮大会優勝校と、甲子園でちょこっとしか勝てないチームの差かなと思います」と分析した。

準決勝で敗れはしたが、佐久間悠次今祐也の2投手が今大会を通して独り立ちできた。「目標は達成。石井が間に合って投げられたのはラッキー。これから、ピッチャーは“何枚目”の争いになる。何番手から、何枚目になれるかだね」と斎藤監督。

「うちなんかが、3連覇、4連覇なんて言えないよ」と連覇がかかっていたことに関しては意に介していない様子。春の東北王者を取ること以上の収穫は、この先の戦いぶりに表れるはずだ。

(文=高橋昌江

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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