試合レポート

修徳vs東海大高輪台

2011.04.08

修徳vs東海大高輪台 | 高校野球ドットコム

修徳・高橋君

緊迫の好投手戦、修徳が少ない好機を生かして逃げ切り

 一昨日あたりから、やっと温かくなってきて4月らしくなってきたなと思っていたのだが、この日はまた気温も低く、しかも風も変に舞っているという中、しかも前の試合が4時間以上もかかったということで随分待たされた。そんなコンディションで始まった試合だったが、両投手がお互いにしっかりと投げて、見ごたえのある好投手戦となった。

 東海大高輪台の谷君は175cm62kgという普通の高校生の体型だ。だけど、非常に体が柔らかいという感じで、投げられる球はほとんどが打者の手元で微妙に変化をしている。それを意識して球を曲げて、意識したところへ投げられているのが素晴らしい。球種としては、左腕独特の大きく曲がり落ちるカーブとスクリューボール、それにスーッと沈んでいくスライダーなど多彩でそれぞれの使い方が有効だった。

 これに対して、修徳の高橋君は180cm74kgで、現在の野球界ではもっとも求められているタイプの投手の体型といってもいいスラリとした投げ下ろしタイプだ。この日はストレートのスピードは130キロいくかいかないかくらいだったかもしれないけれども、本来はもっとスピードの出る投手だ。将来を見据えての投手としての素質という点では、プロのスカウトにとっては必ずチェックしておきたい選手の一人であることは間違いない。


修徳vs東海大高輪台 | 高校野球ドットコム

修徳・三ツ俣君

 そんな両投手の投げ合いで、試合は早いペースで進んでいった。5回を終えて、1時間足らず。ここまで、東海大高輪台は3安打。修徳も1回、3回と連打はあったもののそれだけで、その後はきっちりと谷君に抑えられて0―0のまま回を重ねていった。3回に、修徳が池田君、三ツ俣君の連打で作った1死一三塁以外は、どちらもチャンスらしいチャンスもないまま7回を終えてしまった。
 高橋君は立ち上がり当初よりも後半にはストレートに伸びが出てきていたようだし、谷君は上手に打者の芯を外しながら打たせていくという心憎いばかりの投球だ。
 もしかしたらこのまま延長になるのかも知れないと思い始めた8回、一番からの好打順の修徳は藤井君が風の影響もあって、やや幸運な中前打で出ると、暴投で二進。1死後ここまで3安打の三ツ俣君だ。敬遠四球も考えられた場面だったが、東海大高輪台バッテリーは勝負に出た。カーブが少し甘く外から真ん中に入ってきたところを三ツ俣君は逃さず叩いて右中間に運んで二塁打となり、ついに均衡を破った。

三ツ俣君は、この日4打数4安打。兄は、昨夏エースとして東東京大会決勝まだ導き、ドラフト2位指名でオリックス入りした三ツ俣大樹選手である。打席姿なども兄に似ているが、鋭いスイングで気を吐いていた。
 修徳はさらに2死二塁から五番伊藤君も三遊間を破り二走を帰して2点目を加えた。
 高橋君の出来からして、1イニングのみを残しての2点リードは大きかった。9回、2安打は浴びたものの併殺もあって修徳が逃げ切った。

(文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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