News

投げては大谷翔平以来の160キロ・21奪三振、打っては決勝弾 大船渡・佐々木朗希に感じるロマン

2019.07.21

投げては大谷翔平以来の160キロ・21奪三振、打っては決勝弾

投げては大谷翔平以来の160キロ・21奪三振、打っては決勝弾 大船渡・佐々木朗希に感じるロマン | 高校野球ドットコム
大船渡・佐々木朗希

 21日、大船渡盛岡四の岩手大会4回戦は、まさに大熱戦と言うにふさわしいものだった。延長12回に及ぶ戦いを制したのは、佐々木朗希擁する大船渡だ。

 もはや形容する言葉が見つからない。

 初回から150キロ台の速球を連発した佐々木は、6回まで毎回の8奪三振。3回戦の一戸戦で6回13奪三振だったことを考えると、やや物足りないとすら思えてしまう数字だが、この試合で佐々木がすごかったのは、チェンジ・オブ・ペースだった。

 今春岩手大会準優勝の盛岡四打線は、佐々木の150キロを超える速球にも振り遅れることなく、序盤は多くのチャンスを作った。外角のきわどい球もしっかりと見極め、甘い球を叩く打撃を実践できていた。しかし2回、3回と続けて二人のランナーを出すも、あと一本が出ない。

 この日の佐々木のストレートは常時140キロ後半、力を入れると150キロ台、ボールが先行すると140キロ前半の球をコースに決めるなど、投げ分けができていた。この少し抜いた球を適度に投げることで、要所で150キロ越えの球を投げるスタミナを残すことができていたのだろう。8回に記録した160キロも、100球を越えてから計測したものであり、余力十分という風にも見えた。

 中盤はやや変化球の割合を増やすなどして、ストレート対策をしてきたとみられる相手に的を絞らせず、打たせて取る投球を展開。そして、7回からギアを挙げ、8回には三者三振。打たれこそしたものの、9回にも159キロを計測するなど、試合終盤へ向けてギアを上げてきたことがわかる。

 10回以降はさらに奪三振のペースを上げる。9回までの14奪三振に対し、10回から12回の3イニングで7奪三振。さすがに終盤は引っ掛ける球や、投げ終わりに身体が流れるシーンもあったが、それでも194球を投げ、最後まで150キロ台を投げ続けるスタミナは驚異的だ。

 12回表に自ら放った勝ち越し弾も、まさに弾丸ライナーと言えるような当たりを、逆方向に放り込んでしまうのである。打撃は粗さが目立つが、それがまた我々のロマンをかき立てる。

 投げては最速160キロ・21奪三振、打っては勝負所でのホームラン。しかもこれからまだまだ進化を見せてくれそうな予感もする。そんな大器を、これからいったいどう形容していけば良いのか。嬉しい悲鳴である。

 21日には星稜奥川恭伸も158キロを計測しており、同年代にここまでの投手が二人(もしくはそれ以上)もいることに驚きを禁じ得ない。この令和の新時代に、高校野球を楽しめる幸せをかみしめ、ここからの大会を見守りたい。

文・林龍也

【 速報ページはこちら 】

■大会日程・応援メッセージ

第101回 全国高等学校野球選手権 岩手大会

投げては大谷翔平以来の160キロ・21奪三振、打っては決勝弾 大船渡・佐々木朗希に感じるロマン | 高校野球ドットコム関連記事はこちらから
【逸材レポート】佐々木朗希(大船渡)平均球速が初戦から5キロアップ!ノーヒットノーランのピッチングを徹底分析!
最速155キロ!底が見えぬ佐々木朗希が圧巻投球でノーノー達成!
【BIG5特集】佐々木朗希(大船渡)令和元年の至宝!この夏、全国と世界へ羽ばたけ
2019年のドラフトの目玉・佐々木朗希(大船渡)投手へ 今年お願いしたいこと
花巻東、盛岡大附の2大勢力がリードか?佐々木朗希擁する大船渡にも注目!【岩手大会展望】
【逸材レポート】佐々木朗希の初戦ピッチングを球種別に徹底分析!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.27

【京都】龍谷大平安、京都成章、北嵯峨などが2次戦進出戦に挑む<春季大会>

2024.04.27

【大阪】3回戦は28日に大阪桐蔭、履正社が登場、29日には上宮-関西創価など<春季大会>

2024.04.27

横浜に入学した「スーパー1年生5人衆」に注目せよ! 佐々木朗希二世、中学日本代表の二刀流など明日の慶應戦で活躍なるか!?

2024.04.27

【三重】津田学園-菰野、5年ぶりの決勝対決<春季県大会>

2024.04.27

【広島】広陵は瀬戸内と、広島商は崇徳と夏のシードをかけて激突<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!