試合レポート

【春季千葉県大会】中央学院が好投手を攻略し、逆転でベスト8進出!強豪続きの連戦で見せる「センバツベスト4の自信」

2024.04.28


好リリーフを見せ、雄叫びを挙げるエースの蔵並 龍之介

【トーナメント表】春季千葉県大会 結果一覧

選抜ベスト4の中央学院は2回戦で成田、そして3回戦で拓大紅陵と続けて強豪と対戦。実際に試合を見ると、成田拓大紅陵の各野手の能力も非常に高く、どちらのエースも140キロを超えており、その実力派決して中央学院に負けてはいなかった。

先発の颯佐 心汰投手(3年)は立ち上がりから苦しんだ。最速140キロは出たものの、常時135キロ前後の速球は好調時と比べると勢いがなく、高めに浮いた変化球を狙われる。2回表に宮崎 駆外野手(3年)、味方のエラーで2点を失い、4回途中まで8安打を浴び、降板。颯佐は「変化球が高めに浮いてしまって、それが捉えられた。次回の登板まで修正したいです」と課題を語った。

2番手の蔵並 龍之介投手(3年)は後続を抑えると、中央学院が4回裏に反撃に出る。

この回から拓大紅陵はエースの竹内 界翔投手(3年)が登板。2回戦の幕張総合戦で15奪三振完封勝利を挙げた県内でも上位に入る好右腕。常時130キロ後半の速球、120キロ後半のスライダー、100キロ台のカーブを投げ込み、攻略は難しいように見えたが、6番小澤 遼大内野手(3年)の適時二塁打、7番岩崎 伸哉内野手(3年)の犠飛、8番颯佐の右前適時打で逆転に成功。5回裏にも4番中村 研心内野手(3年)の適時打で4点を奪った。

勝ち越し打を放った颯佐 心汰

追加点の一打を放った中村は竹内登板でも怯む様子はなかった。
「竹内くんの登板時にもう一度、気持ちのギアを上げることができた。自分たちはデータがとられている中でも狙い球をしっかりと絞ることができていた」と振り返り、小澤は「選抜で良い投手の対戦があったので、好投手の名前でびびることはなかったです。選手たちの中で、何を狙うのかを決めていて、自分はストレートでした」

竹内はコントロールは悪くないのだが、簡単にストライクを取りにいく傾向が強い。ベルトゾーンに入った速球、変化球を弾し、計9安打を放った。

4回途中から登板した蔵並は無失点の好投。最速140キロの速球、120キロ前半のスライダー、フォークのコンビネーションで、5.2回を投げて、拓大紅陵打線を2安打に封じた。蔵並はベンチから安打を重ねる拓大紅陵打線を冷静に見えていた。
「颯佐から8安打打っていましたけど、甘く入った変化球を打っていて、各打者の体の使い方を見て、自分の角度のあるストレートならば、詰まると思っていました。そういった観察はだんだんできていると思います」

スコアは4対2。拓大紅陵は10安打、中央学院は13安打、蔵並、竹内の両エースともに最速は140キロ。拓大紅陵の4番打者・ 松本 拓海内野手(3年)は「打撃練習では打撃投手がマウンドより少し前に立ってもらって、速球、変化球を投げてもらっているので、速球投手は苦にしていない」と語るように、選手の能力で大きな差はない。それでもなぜ中央学院は接戦で勝てるのか。中村はこう語る。
「自分たちは泥臭く、闘争心をもってやっているので、気持ちを全面に出して、当たり前のことを徹底してやる。それが接戦で勝てる要因かなと思います」

選手たちのコメントを見ると、どの場面で気持ちのギアを上げればいいのか、相手の動きを見て、自分はどういうプレーをすればいいのか、それを実行出来る選手が多い。今年の中央学院は心身両面をしっかりと鍛えているチームというのがうかがえる。
準々決勝の相手はプロ注目右腕・三田村 悠吾投手(3年)擁する千葉黎明。強豪との試合が続く。この試合でも粘り強い試合運びで接戦を制することができるか注目だ。

【トーナメント表】春季千葉県大会 結果一覧

<関連記事>
【春季千葉大会】専大松戸・梅澤翔大がサヨナラのピンチを防ぐ好リリーフで8強!持丸監督は「エースに成長した」と称賛!
【一覧】千葉県 注目選手
波乱の春季千葉大会!木更津総合、習志野、市立船橋、成田の強豪が夏ノーシードに回る事態に!
【春季千葉大会展望】近年の千葉をリードする専大松戸、木更津総合が同ブロックに! 注目ブロック、キーマンを徹底紹介

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.07

【鹿児島】神村学園は昨秋4強の鶴丸と初戦で対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.07

【山陰】益田東と米子松蔭、鳥取城北が石見智翠館と対戦<春季大会組み合わせ>

2024.05.07

【熊本】九州学院が文徳を破って22年ぶり3回目の優勝<RKK旗>

2024.05.07

【北海道】函館大有斗、武修館などが初戦を突破<春季全道大会支部予選>

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.06

【2024年夏 全国地方大会シード校一覧】現在27地区が決定!

2024.05.02

春の神奈川準決勝・東海大相模vs.横浜の黄金カード実現! 戦力徹底分析、試合展開大胆予想!

2024.05.02

【茨城】常総学院、鹿島学園、水戸一、つくば秀英が4強入り<春季県大会>

2024.05.02

激戦必至の春季千葉準決勝!関東大会出場をかけた2試合の見所を徹底紹介!

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>