Column

部員13名で旋風起こす八重山農か?主砲が打率10割と大暴れの美里工か?【秋季沖縄県大会準々決勝 展望・後編】

2019.09.27

 69回目を数える沖縄県高校野球秋季大会は24日、3回戦を終えベスト8が出揃った。新人中央大会覇者の沖縄水産をはじめ、本部美里工と新人4強のうち3校が順当に勝ち上がってきた中で、部員僅か13名の八重山農が旋風を巻き起こすなど、大会を通して成長してきたチームも多い。そこで8強がぶつかる準々決勝を中心に、ここから上の展望を書いてみようと思う。

【前編はコチラ】
宿敵同士の再戦か?それともジャイアントキリング達成か?【秋季沖縄県大会準々決勝 展望・前編】

【トーナメント表をチェック!】
秋季沖縄県大会トーナメント表

投打のバランスで勝負する八重山農

部員13名で旋風起こす八重山農か?主砲が打率10割と大暴れの美里工か?【秋季沖縄県大会準々決勝 展望・後編】 | 高校野球ドットコム
2番の大浜圭人(八重山農林)は打率6割を記録する

【宜野湾―八重山農】

  3試合で4失点の宜野湾。濱川と宮里の二枚看板が力を遺憾なく発揮している。濱川が被打率.186、奪三振率7.94の好成績を残せば、宮里も新人中央大会準優勝の具志川商を1失点完投。どちらをマウンドに送っても計算が成り立つのは、池宮城監督にとってもこの上なく頼もしいに違いない。

 チーム打率.318の打線を引っ張るのは4番大城。毎試合安打で打率は5割。具志川商戦は一人で4打点を叩き出した。長打率も高く8割を超える。

対する八重山農は投打でバランスが良い。サイドハンドのエース親里は3試合12イニングを投げて無失点。奪三振率は8.25。被打率は圧巻の.122。制球も良くK/BBは5.50と、全く隙がない。大会を通しても三本指に入る好投手だ。もう一人の垣本も12イニングを投げ被打率は.136と秀逸。

 この二人だけでも凄いのに、3試合で25得点と打線も本物ときた。1番久貝が打率.556、2番大浜が打率6割ちょうど。ホームランと三塁打も記録している久貝は8得点するなど、この二人の出塁率の高さがそのまま得点力となっている。

この両者の対戦、八重山農が6-4で若干有利と読む。やはり親里の存在が大きい。この時期にこれだけ完成されたサイドスローは、高校生ではなかなか打てないだろう。宜野湾打線が大振りせず、右方向への強い打球を心掛けても厳しい。それだけ親里の今秋の出来は素晴らしいのだ。宜野湾は濱川と宮里で八重山農打線を抑え、1点勝負に持ち込みたい。

[page_break:経験豊富の美里工が軸のC、Dブロック]

経験豊富の美里工が軸のC、Dブロック

部員13名で旋風起こす八重山農か?主砲が打率10割と大暴れの美里工か?【秋季沖縄県大会準々決勝 展望・後編】 | 高校野球ドットコム
美里工の投の柱・上間玲於

【美里工―具志川】

新人4強の美里工は、前チームから投打の軸として活躍してきた二本柱の富島、上間が強力。投の柱・上間は3回戦の宮古戦で打者13人に対し僅か1安打と抑え込んだ。今秋、打者26人に対し与四球1個と制球も安定している。

 打線を引っ張るのは4番・富島。去った夏でもホームランを記録したその打棒はさらに磨きをかけ、今秋の打率はなんと10割!驚異の9打数9安打(二塁打と三塁打を1本ずつ)はそのまま、チーム打率.483に繋がっている。まるで、2014年の選抜大会に出場した美里工を彷彿とさせるかのような強さだ。

対する具志川は、嘉手納同様大会で急成長したと言っていいだろう。その主役が糸満戦で4安打完封した長山。16イニングで被打率は.156。制球に難があるものの、それが打者に的を絞らせず功を奏している。もう一枚の津波古も被打率は.152と低い。チーム打率は3割を切る(.280)だけに、両投手の出来に全てがかかる。

この両者の対戦、美里工が8-2で有利と読む。沖縄水産打線と、がっぷり四つで対戦出来るのは美里工以外にない。具志川は、ボール球を振らせて美里工打線を焦らせれば面白い展開になる。

(記事=當山 雅通

【前編はコチラ】
宿敵同士の再戦か?それともジャイアントキリング達成か?【秋季沖縄県大会準々決勝 展望・前編】

【トーナメント表をチェック!】
秋季沖縄県大会トーナメント表

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.02

激戦必至の春季千葉準決勝!関東大会出場をかけた2試合の見所を徹底紹介!

2024.05.02

【長野】松商学園、長野日大、東海大諏訪などが県大会出場へ<春季県大会支部予選>

2024.05.01

【神奈川】関東大会の切符を得る2校は?向上は10年ぶり、武相は40年ぶりの出場狙う!横浜は6年ぶり、東海大相模は3年ぶりと意外にも遠ざかっていた春決勝へ!

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!

2024.05.01

【岩手】盛岡大附、一関学院などが県大会出場へ<春季地区予選>

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.28

【長野】上田西、東海大諏訪、東京都市大塩尻が初戦突破<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?