Column

県立白子高等学校(三重)

2016.01.24

 1920年に創立され95年以上の歴史と伝統を誇る白子秋の三重県大会では、準々決勝で昨夏の選手権大会智辯和歌山に勝利した津商に惜しくも破れるも、なんと選手12人でベスト8の成績を収めました。心身ともに逞しく、少数精鋭で甲子園を目指す白子ナインに、この冬の取り組みや、秋季大会から学んだことを中心に、選手と指導者の方々を直撃しました。

チーム基本情報を紹介!

白子高校の中西 奏斗君(学年:2年/役職:副主将)にお話を伺いました!

Q. 部員は何人いますか?

 1年生2人、2年生13人の合計15人です!

Q. 練習のグラウンド環境を教えてください。

 主に広いグラウンドを使用しています。サッカー部が試合をする時は、インフィールド等の空いたスペースで練習をするようにしています。

 練習場所が限られた時には、工夫して練習をしているんですね!

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[page_break:今年のチームについて]

今年のチームについて

中西 奏斗主将(県立白子高等学校)

Q. 今年のチームのウリ(セールスポイント)を3つ教えてください。

 1つ目は、人数が少ないので「試合に出れる回数が多く経験値が高いこと」ですね。昨年の11月末まで公式戦・練習試合を含め、85試合を12人で戦いました。そして2つ目は「粘り強い」ことです。人数が少ないため、休んで迷惑を掛けないようにと誰もほとんど休まないんです。最後は、「自主練習参加者が多い」ことです。試合に出る中でミスしてしまうことがあります。するとミスをした選手は、チームメイトに迷惑をかけたくないと思い自主練習をする、そんなこともあり自主練習の参加者が多いんです!

Q. 仲間を想って自主練習に励むのは素敵ですね!では、このオフシーズンでのチームの目標は何ですか?

 一人一人の技術、体力、精神力の向上です。特に心の面で成長したいと思っています。

Q. オフシーズンの練習で、『自分たちのチームならでは』の名物練習や、これは本当にキツい!というメニューがあれば教えてください。

 学校近くの海岸で行うトレーニングがあるのですが、砂浜を6km走るメニューは本当にキツいです…!

Q. それはキツいですね!その厳しいトレーニングを経て、来年の春、夏の目標をお聞かせください。

 春は東海大会出場、夏は初の甲子園出場です!

秋の大会を振り返って

Q. 秋の大会はチームにとって、どんな大会でしたか?

 公式戦の厳しさや一球の重みを感じた大会でした。

Q. 新チームとなって理想とする勝ちパターンはありますか?また、秋にそれを実践できたシーンがあれば教えてください。

 まず序盤に様々な作戦プランを使って粘り強く守り、主導権を握ります。そして終盤のここ一番で勝負に出るロースコアーの展開を理想としています。
これを実践できたのが、地区予選稲生との試合でした。12人で延長15回を戦い引き分け再試合となり、翌日の試合では1点ビハインドで迎えた9回裏に、粘り強くつなぎ逆転サヨナラで勝利しました。地区予選初戦のその試合で波に乗り、地区優勝、県大会ベスト8に入ることができました!

Q. それはすごいですね!秋の大会を踏まえて、この冬に強化したい点、取り組みたい練習メニューがあれば教えてください。

 チーム全体で下半身の強化と技術の向上に取り組みたいと思っています。秋季県大会の津商業との試合で守備で守れないと勝てないことを学んだので、守備練習をきっちり行って、失点が少ないチームにしていきたいと思います。

Q. この冬でのレベルアップを期待しております!では、躍進した秋の大会で貢献した選手を教えてください。

 エースの安藤 明記と、捕手で主将の安達 尚弥です。2人は夏を経験したことのある4人のメンバーの中の2人です。その経験を活かし、バッテリーとして地区予選からしっかりと試合を作ってくれました。ベスト8入りに本当に貢献してくれたと思います!

Q. 続いてチームの中で、この春キーマンになってくれるであろう選手を教えてください。

 遊撃手の真弓 虎之介と一塁手の藤井 悠太です。真弓は守備の要として野手を引っ張ってくれると思います。藤井は、よくバットを振っているので、攻撃で活躍してくれることに期待しています!

Q. では最後に、2年生にとっては最後となるオフシーズン。1年生にとっては初めてのオフシーズンですが、春に向けて、どんな冬にしたいかなど、思っていることを教えてください。

 選手は12人と少ないですが、このオフシーズンに一人ひとりが野球を通して人として成長していきたいと思っています。新チーム発足以来12人で約90試合をこなしました。各々の選手の試合経験値は全国で比べても高いと思っています。自分たちはこの野球部で野球以外のことも学ばせてもらっています。これからも野球ができる有難さを感じながら甲子園出場に向けて努力したいと思います!

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[page_break:指導者が語る!このチームの強み]

 ここからは、投手パートリーダーを務める安藤 明記君と外野・走塁パートリーダーの中村 翔貴君の2人にお話を伺います。

安藤 明記選手(県立白子高等学校)

Q. 高校野球が好きな理由は何ですか?

安藤 明記(以下「安藤」):チームで決めた1つの目標に挑戦できるところと、野球が好きだからです!

中村 翔貴(以下「中村」):野球の技術はもちろん、野球以外のことでも成長できるところです。

Q. この冬はどんな冬にしていきたいですか?

安藤:自分の能力を上げることで、目標に近づけるようにしていきたいです。
中村:ぎりぎりまで自分を追い込むことと、今できていないことに挑戦したいです!

中村 翔貴選手(県立白子高等学校)

Q. 野球をする上でモットーにしている、好きな言葉は何ですか?

安藤:「一心不乱」です!
中村:「ど熱闘」です!

Q. 中村君の「ど熱闘」の「ど」がつくところがさらに良いですね!それでは最後に『自分はここまで成長するぞ』という熱い宣言と夏までの目標をお願いします。

安藤:140kmの球速と、四隅に投げ分けられるコントロールを身につけて甲子園に出場することと、マウンドでの度胸をつけられるように頑張りたいです。夏までのチームとしての目標は、冬トレをチームで乗り切り、春の東海大会に出場し、夏に初の甲子園出場をすることです!

中村:自分は、日本一の、「不動のライト」になれるように成長したいです!正確な一歩目と打球判断を夏までに磨いていきたいと思います。

 お2人の明確で熱い思いが伝わってきました。お話していただき、ありがとうございました!

指導者が語る!このチームの強み

渡部 大地監督に質問!

Q. 今年のチームですが、どんなテーマをもってチームを作り上げてきましたか?

 秋は県大会ベスト8と、そして練習試合を含めて85試合を戦い、選手たちはよく頑張りました。最強の12人だと思っています。各々が良い面があり、長所の持ち寄りのチームだと思います。春へ向けての課題として、9イニングのプランニングがしっかりとできるようにしたいですね。
冬のテーマは、選手とともに私も成長したいと思っております。その他には、以下のテーマを設けています。

・自らこけない「自力」の獲得
・相手によって使い分ける「戦術」と「技術」の獲得
・心技体の基礎→基本→応用 
・チームメイトとの調和

 この4つのテーマで選手たちは日々、練習に取り組んでいます。

Q. 最後に厳しい冬のトレーニングを送る選手たちへ一言お願いします。

 公式試合も練習試合も同じ。試合も練習も同じ。練習も学校生活も同じ。学校生活も私生活も同じ。夏も冬も同じ。
自分がこれと決めたことはいつも一生懸命ではなく真剣に取り組むこと。その先に何があるのかを考えるのではなく、その先に何があったのかを感じてほしいです。何があったかはやった者にしか分からない。だから尊いのだと思います。

 選手の皆さんの姿はとても逞しいものがありました!白子高校の春の活躍に期待しています!ありがとうございました!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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