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2015年の高校野球を占う【岩手編】「2年ぶり出場を狙う花巻東を追うライバルは?」

2015.03.03

 昨年は春の県大会花巻東盛岡大附とこの2校で優勝を分け合ったが、秋季大会ではベスト4に私立2校と公立2校が勝ち上がった。私立をはじめ、公立校も注目チームが多く今年も混戦が予想される。

2年ぶり出場を狙う花巻東のエース・高橋 樹也に注目

高橋 樹也(花巻東)

  秋季大会は、花巻東が準決勝まで危なげなく勝ち進み、決勝戦は1点を争う好勝負の末、2対1の僅差で一関学院を破り2年連続で岩手県大会を制した。

 そのチームの柱となるのが、めきめきと頭角をあげてきたエースナンバー1を背負う高橋 樹也。試合経験も豊富ですでに最速は140キロを超しており、テンポの良いピッチングは健在。一冬超えた春にどんな投球を見せてくれるのか最も楽しみな存在だ。秋季大会では、ヒットは出るものの決定打がなかなか出ないなど課題も残したが、春には機動力を生かしパワーアップした打線に期待したい。

 その決勝戦の相手となった一関学院は、準々決勝での覇者盛岡大附に7対6、準決勝では盛岡四に3対2と連続サヨナラ勝ちし、勢いのままに決勝戦へコマを進めた。近年、ベスト4以上の壁に苦しんできたが、3年ぶりの決勝進出を果たし花巻東に挑んだ。決勝戦では、初回に許した2点が最後まで響き1点差で涙をのんだ。

 その一関学院の特長は投手層の厚さ。準決勝、決勝と見せた工藤 幹佐藤 拓斗佐竹 城一郎のタイプの違う投手リレーは、相手にとって脅威だ。

 また、1年から正捕手として打撃にも定評がある髙橋 柊也。昨年は故障で思うような活躍が出来なかったが、完全復活すれば一関学院は再注目のチームになるだろう。さらに打撃では、4番として秋季大会でしっかりと結果を残した小又 怜も注目したい。

今回のコラムに登場した学校の野球部訪問は以下から!
盛岡大学附属高等学校(2013年05月07日公開)

2015年度 春季高校野球大会 特設ページ
【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!

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公立校の注目は宮古商

森谷 秀吾(宮古商)

 公立校の注目は秋季大会3位の宮古商業。投打がバランスよく仕上がったチームで33年ぶりに東北大会出場を決めた。
中心となったのが4番でエースの森谷 秀吾。まだまだ成長株の投手ではあるが、しっかりと三振がとれる本格派の投手だ。球速は130キロ台だが一冬超えた春が楽しみな投手。当たりだしたら止まらない強力打線は宮古商業の持ち味で、下位打線でも得点できるのは強み。瞬発力が魅力のリードオフマンの内藤 優真にも注目だ。

 同じく公立校の注目は盛岡四。最近は安定した成績を収め、秋季大会では3位決定戦で、公立校同士の戦いで東北大会出場を目指したが、宮古商業に敗れベスト4。力があるだけに私立勢にとってもイヤな存在であるに違いない。その中で、エースで3番を任せられる中澤 優也に注目。長打力もありホームランも狙えるパワーの持ち主。俊足でもあり走攻守が揃った選手である。バッティングでは長打力をもった畠山 侑也谷地 健人のクリーンナップも魅力。

 昨年夏の覇者、盛岡大附秋季大会準々決勝で一関学院に敗れるも、確実に優勝を狙えるチーム。毎年冬の雪上練習でのパワーアップした成果が見られる春はもうすぐだ。その中、甲子園で2試合連続ホームランを放った遠藤 真のバッティングに注目。昨年からの試合経験は豊富で勝負強く、ここぞというときのバッティングはチームを勝利に導いてくれることだろう。

盛岡大附といえば打線に注目されがちだが、軽快な守備力も魅力の一つ。今年も多いにわかせてくれることだろう。

 他に私立勢の注目は専大北上。地力はあるものの、ここ最近はなかなか勝ち上がれない苦しい状態が続いている。
注目は、長打力抜群でプロも注目の吉田 開。走攻守揃った選手で相手投手にとっては脅威な選手に違いない。春季大会から目の離せないチームになるだろう。

 今年の岩手県大会は、公立校に注目で、面白くなりそうだ。

 中でも沿岸地区のチームの釜石釜石商工久慈東、久慈工業の秋季大会に元気だったチームが、春までにどう仕上げてくるか楽しみだ。内陸勢でも水沢花北青雲盛岡三など県大会常連チームが上位進出を狙ってくるだろう。他にも秋季大会1回戦で敗れたチームでも底力のあるチームも多く、毎年のことながら秋季に敗れても春季、夏の選手権と上位に食い込んでくるチームもあるため上位常連のチームもうかうかしていられない。

 そんな台風の目になるチームを楽しみに今シーズンを迎えたい。
また、野球部員減少で連合チームとして昨年秋季県大会で一勝を挙げた伊保内・葛巻・沼宮内連合からも目が離せない。

(文・菊池 勝也

今回のコラムに登場した学校の野球部訪問は以下から!
盛岡大学附属高等学校(2013年05月07日公開)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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