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成長期と腰椎分離症【セルフコンディションニングお役立ち情報】

2024.04.30


スイング動作で腰への負担を軽減するためにも、股関節や胸椎の可動性を獲得しよう

成長期と呼ばれる時期には個人差がありますが、身長が一番伸びる時期を頂点にその前後2~3年を指します。一般的には男子で12~15歳前後、女子で10~12歳頃にそのピークが見られることが多いようです。成長期の体は骨が長軸方向(縦方向)に伸び、新しい骨が現れる一方で組織そのものが柔らかく、脆弱(ぜいじゃく:弱くてもろい)であるために、過度な身体的負荷が加わり続けるとケガにつながりやすいことも考えられます。

中学から高校にかけての時期によく見られるスポーツ障害の一つに「腰椎分離症」が挙げられます。これはスポーツ(野球)による繰り返しの負荷が腰椎の疲労骨折をもたらすものです。疲労骨折は一度の外力で生じるものではなく、時間の経過とともに少しずつ運動制限や痛みなどが強くなり、医療機関を受診することで初めて骨折に気づくことも少なくありません。野球の練習では毎日のように素振りを繰り返したり、走ったり、時にはトレーニングなどでジャンプ動作を繰り返したりすることがあると思いますが、体力レベルを超えた運動負荷をかけ続けるとやがて腰椎分離症になってしまうことがあります。再発予防には運動と休養のバランスを保ち、反復量を減らすことや、他の動作で代えられないかなどを考慮する必要があります。

腰椎分離症では腰を反らせるような伸展動作や体をひねらせる回旋動作によって痛みや違和感などを覚えることが多いため、このような傾向が見られたときは練習量を減らしたり、痛みを我慢して無理に続けたりしないようにしましょう。慢性的に痛みが続く場合は早めに医療機関を受診することも大切です。また腰に大きな負荷が集中しないように、体の曲げ伸ばしでは股関節を、体をひねらせる動作では胸椎の可動性を高めることが必要不可欠です。成長期の体は骨の成長スピードに筋肉が引っ張られる状態が続き、見た目には「体が硬い」「柔軟性が低い」状態となりますが、日頃から出来る範囲で股関節周りや胸椎のストレッチなどを行い、腰への過度な負担を軽減させることが腰椎分離症の予防につながります。ケガなく野球を行うためにも、自分自身で体の変化を感じ取り、早め早めに対応していくようにしましょう。

文:西村 典子
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この記事の執筆者: 西村 典子

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