肩をスムーズに動かす【セルフコンディションニングお役立ち情報】
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肩の前方部にある3つのポイントをチェックしてみよう
ウォームアップはメインの練習に向けての準備として欠かせないものですが、同時に体のコンディショニングチェックという意味合いもあります。「今日は体が軽い」「筋肉に張りを感じる」といった体の状態を確認し、必要に応じてストレッチやエクササイズなどを行う必要も出てくるでしょう。特に「肩が重い」「腕が上がりにくい」という時は、キャッチボール前に肩のスムーズな動きにつながるセルフコンディショニングを行ってみましょう。
《その1:胸鎖(きょうさ)関節を軽く動かす》
肩のはじまりは、肩関節よりも体の中心にあることを知っていますか。肩関節から鎖骨、そして胸の中心にある胸骨と皮膚の上から骨を触ることができますが、その中でも胸骨と鎖骨をつなぐ胸鎖関節が「肩のつけ根」にあたります。実際にこの部分を触りながら腕を上げようとすると、肩の動きと鎖骨が動くことを確認できるでしょう。胸鎖関節の動きをよくするために皮膚の上から軽く動かしたり、ほぐしたりすると腕が上がりやすくなることがあります。ただし小さな関節なので強い力で刺激することは避けましょう。
《その2:肩の前面部をほぐす》
胸筋群の筋肉が張っていると腕が上がりにくいと感じることがあります。特にベンチプレスなど体の前面部を強化し、背筋群とのバランスが崩れた状態の選手は、背中が丸まりやすく肩が前方へとシフトして投球フォームを崩す一因ともなります。胸筋群のストレッチを習慣化するとともに、肩の前方部にある大胸筋、小胸筋、上腕二頭筋の付着部(起始部)などを皮膚の上から軽くほぐすようにすると良いでしょう。
《その3:首のストレッチを行う》
腕が上がりにくい状態の時に、首を左右に倒してみると利き腕側の肩や首周辺の筋肉が張っている、硬くなっているといったことに気づくかもしれません。首の傾き具合の左右差は鏡を使ったり、もしくは他の選手に見てもらったりして確認してみましょう。筋肉の緊張をほぐすためには、頭を利き手と反対の手で抱えて首を横に傾けるストレッチを始め、首周辺部の前後・左右と丁寧にストレッチを行いましょう。首周辺部の筋肉がほぐれると連動して肩の動きもよりスムーズになることが期待できます。
「今日はいつもよりも腕が上がりにくい」「肩の動きが悪い」と感じるときはキャッチボール前などにぜひ実践してみてください。またいつもとは違って痛みがある、痛みが強いという場合は無理をせずに休むことも大切です。
文:西村 典子
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