起床時のコンディションと朝練【セルフコンディションニングお役立ち情報】
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朝練では、短時間で反復できるものなどを中心に実施しよう
皆さんのチームでは授業前の時間帯に早朝練習(朝練)を行うことはありますか。時期によってある場合や、普段から実施している場合などチーム事情にあわせてそれぞれだと思いますが、大事なことは朝練によって体のコンディションを崩してしまわないこと。充実した朝練にするためにはどのようなことを心がければ良いでしょうか。
睡眠不足にならないこと
まず大切なのは睡眠時間をしっかり確保した上で朝練に臨むということです。朝練のために睡眠時間が削られ、寝不足のまま練習に参加するのは本末転倒です。睡眠中には成長ホルモンの分泌によって筋肉や骨の成長と修復が促されるだけではなく、記憶の定着や運動スキルの獲得など神経機能にも影響を及ぼすことが知られています。必要な睡眠時間には個人差がありますが、一般的には7~8時間程度を推奨されることが多く、翌日の起床時間から逆算して就寝時間を設定することが理想的です。また就寝直前のスマホ使用は極力控え、すみやかに入眠できるようにすることも大切です。逆に必要な睡眠時間を確保できないような場合は、朝練の時間帯を見直す、朝練の実施そのものを見直すことが必要になるかもしれません。
補食を上手に活用する
起床と同時に着替えて自宅を飛び出し、そのまま朝練に参加するということは避けましょう。目覚めたばかりの体は水分やエネルギー源が不足している状態であり、このまま激しい運動を行ってしまうと脱水やエネルギー不足によって「思うように体が動かない…」といったことや、ケガのリスクが高まることなどが考えられます。起床後は糖質を含んだ手軽に食べられるもの(おにぎり、パン、バナナなど)と水分をとり、練習後にも運動で失われた水分、エネルギー源を確保するために補食を活用して、体に必要な栄養素が不足しないようにしましょう。
脳はまだ十分に働いていない?
朝起きた直後の体は思いどおりに動きにくいと感じることが多いのではないでしょうか。私たちが体を動かすときは、脳からの指令が神経をとおして筋肉へと伝わるのですが、起床直後では脳がまだ覚醒モードになっておらず、神経から筋肉への伝達スピードがいつもよりも遅かったり、神経が支配する筋肉の範囲がいつもよりも少なかったりといったことが考えられます。こうした状態は時間とともに改善されていくのですが、朝練では脳の働きなども考慮し、複雑で巧みさを必要とする練習よりは比較的単純で、繰り返し行うことのできる反復練習であったり、体力面を考慮したランニングやジョギングなどで体を温めたりする方が取り組みやすく、突発的なケガも起こりにくいと考えられます。
朝練によってコンディションを崩すことがないように、起床後の体を十分に理解した上で練習に取り組むようにしましょう。
文:西村 典子
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