春の宮城県大会4連覇を果たした仙台育英、豊富な戦力で東北の頂点を狙う

山田脩也・田中優飛
春季高校野球東北大会が6月7日に開幕する。宮城の第1代表は、春の県大会で4連覇を達成した仙台育英。東北の頂点に立ち、夏の甲子園連覇に向け弾みをつけることができるか、注目が集まる。
投手陣は今年も盤石。昨夏の甲子園で活躍した高橋 煌稀投手(3年)、湯田 統真投手(3年)は着実に進化を続けており、今春の県大会では仙台市民球場のスピードガンで150キロを超える球速を計測するなど、貫禄の投球を披露した。左腕の仁田 陽翔投手(3年)はセンバツで先発した2試合いずれも2回途中KOと悔しさを味わい、状態が心配されていたが、県大会決勝で久々に公式戦に登板。万全とは言えなかったものの2回無失点に抑え、復調をアピールした。
3人と同学年で成長著しいのが、左腕の田中 優飛投手(3年)。昨夏の甲子園はメンバー入りしていなかったが秋から台頭し、今春は決勝の先発を託された。この試合では平均球速が上昇した直球と、精度を増した変化球を武器に7回1安打13奪三振1失点と好投し、左のエースに名乗りを上げた。
また、春の県大会では2年生投手も経験を積んだ。左腕・武藤 陽世投手(2年)は準決勝の東陵戦で救援登板し、3回6奪三振で完全投球を披露。センバツのマウンドも経験した右腕・佐々木 広太郎投手(2年)は同じく準決勝で先発し、4回2失点と本領を発揮できなかったものの、周囲からの期待値は高い。昨年同様、左右バランス良く好投手が揃っており、東北大会でも他チームの脅威となりそうだ。
打線は昨夏からスタメンを張る橋本 航河外野手(3年)、山田 脩也内野手(3年)の1、2番コンビ、4番・齋藤 陽外野手(3年)、正捕手・尾形 樹人捕手(3年)が今年も健在。昨秋から台頭してきた湯浅 桜翼内野手(2年)、鈴木 拓斗内野手(2年)らも順調に育っている。特に湯浅は春の県大会でチームトップの打率.455をマークし、二塁、三塁の守備でも大きく貢献した。
今センバツをケガで欠場した住石 孝雄内野手(3年)の復帰や、伊藤 達也外野手(3年)の成長により、レギュラー争いも激化している。昨年、一塁や三塁に入ることの多かった住石は、今春は二塁も守っており、ユーティリティーぶりも発揮。起用の選択肢が増えることで攻撃パターンが多様化し、ますますチーム力は強化されていくだろう。
センバツは8強止まりに終わったが、夏の甲子園で再び日本一に輝く素質は十分にある。まずは東北大会で、圧倒的な強さを見せつけたい。
(記事=川浪 康太郎)