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巨人、若手投手の台頭が急務 戸郷、大勢に続く投手たちは現れるか

2023.04.16

巨人、若手投手の台頭が急務 戸郷、大勢に続く投手たちは現れるか | 高校野球ドットコム
戸郷 翔征投手

 現状の巨人の投手陣は、菅野 智之投手(東海大相模出身)が開幕前に離脱。そのため、若手投手陣の台頭が急務になっている。その中で外国人は、フォスター・グリフィンが開幕から2勝を挙げるなどの活躍で、先発ローテーションを引っ張っている。さらに、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で活躍を見せた戸郷 翔征投手(聖心ウルスラ出身)は今シーズンも高いレベルのピッチングを見せており、防御率は0.00だ。

 若手投手陣は競争が非常に激しい状況で、頭ひとつ抜けているのは、この戸郷と大勢投手(西脇工出身)だろう。この2選手に関しては、未来を担う選手として期待される。

 その他を見ると、先発ローテーションに入った赤星 優志投手(日大鶴ヶ丘出身)や横川 凱投手(大阪桐蔭出身)を中心に、山﨑 伊織投手(明石商出身)や、直江 大輔投手(松商学園出身)、堀田 賢慎投手(青森山田出身)、戸田 懐生投手(KTCおおぞら高出身)、菊地 大稀投手(佐渡高出身)、井上 温大投手(前橋商出身)といったあたりは、昨シーズンマウンドにあがり、勝ち星も記録した投手もいる。

 さらに1軍のマウンドを経験している平内 龍太投手(神戸国際大附出身)もいることもあり、若手投手陣の競争はより激しくなっている。

 また、今シーズンはルーキーの船迫 大雅投手(聖光学院出身)や田中 千晴投手(浪速高出身)、若手の代木 大和投手(明徳義塾出身)の期待値も高い。

 現在は、重要な試合・場面を任せられる若手投手は戸郷と大勢しかいないが、ゆくゆくはこの中で複数人出てくることが、理想的だろう。昨シーズンは中川 皓太投手(山陽出身)が全休だったが、大江 竜聖投手(二松学舎大附出身)が復活の兆しを見せている。そのこともあり、先発で伸ばしていきたい若手投手が中継ぎに回る可能性は高い。

 しかし、昨シーズンまでの中川や大江を含めた起用法や今シーズンを見ると、投手運用は改善されていないのが現状だ。今シーズンは不調の高梨 雄平投手(川越東出身)を無理に投げさせるなどもあり、終盤に逆転される試合が多い。首脳陣が一新したことから、ヤクルトやオリックスのように、リリーフ陣の枚数を増やして、固定化せずに若手投手も活躍できるシチュエーションを演出させていくことも必要だろう。

 また、山口鉄也が台頭した2007年や2008年は、リリーフ陣の中でも序列はそこまで高くなかった。ただ、2008年は山口と越智大祐が比較的、プレッシャーがかからない場面で登板するごとに、結果を出していき、最終的に勝ちパターンになることができた。さらに、2007年はクローザーに上原浩治がいて、西村健太朗豊田清林昌範会田有志吉武真太郎などがいた中で、山口はプレッシャーがかからない場面で経験を積めた。2008年もシーズン序盤はクローザーにマーク・クルーンがいて西村や豊田、藤田宗一らがいたことにより、シーズン序盤は経験を積めたため、夏場以降の飛躍にも繋がった。

 今の巨人には、大勢はもちろんのこと、大江や田中 豊樹投手(佐賀商出身)、直江、復活すれば中川もいる状況だ。シーズン序盤は、実績組が厳しい場面で投げていき、自信をつけた頃には7回や8回を任せるのもいいだろう。本来であれば、独走をしていた2020年からこの起用法をするべきだったが、来シーズンからは試してほしい。

 先発に関しても、山﨑や堀田は出遅れているものの、トミージョン手術をしてから3年ほど経つ来年に期待は高まる。さらに、今シーズン開幕時に先発ローテーション入りした赤星に関しては、シーズン序盤の平均球速の速さを見ても、変に中継ぎなどで使わず先発一本で投げさせていくべきだ。

 来シーズンから首脳陣が一新することもあり、起用法から技術面まで最大化ができるかが注目だ。エースである菅野も、来シーズンは34歳となる。世代交代が必要となる時期になっているため、戸郷や大勢のように巨人の若手投手陣の台頭に期待していきたい。

(文=ゴジキ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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