Column

将来の日本のエースになる存在の佐々木朗希

2022.11.04

将来の日本のエースになる存在の佐々木朗希 | 高校野球ドットコム
ロッテ・佐々木朗希

高校時代から話題性があった佐々木朗希

 ロッテのエースと言ってもいい佐々木 朗希投手(大船渡高出身)は、高校時代から話題性があり、ポテンシャルも見込まれていた。身長は192センチもあり、生かせられれば間違いなく歴史に残る投手になると言っても過言ではない。実力の面でも取り上げられており、2年生の段階で157キロを記録していた。3年生の夏には160キロを記録。甲子園出場をしていないながらも実力の面で話題性抜群だった。

 佐々木が最後の夏になった2019年の夏の大船渡は、岩手県予選の決勝まで進んだ。しかし、佐々木は決勝で投げず花巻東に敗れて甲子園出場とはならなかった。このことが各メディアで話題になった。

 あれから3年経った今、日本球界を代表する投手にまで成長した。佐々木に関する起用法は、それ以降の高校野球に投手の投げ過ぎ問題や球数問題などにおいて、多大な影響を与えたのではないだろうか。そのため、将来有望株の投手の起用法は、大事な試合になっても、選手の健康上の理由が優先されて、温存されるケースが増えていくことが予想される。

ロッテのエースから歴代最高の投手へ

 高校時代から話題性が抜群だった佐々木は2年目で一気に飛躍した。その要因は高校時代にはなかったスラッターやスプリットを駆使し始めたことも大きい。

 元々の素材を見ると、若い頃のエンゼルス・大谷 翔平投手(花巻東出身)ですら、100の力を込めて150キロ後半を出している感じがあった中で、佐々木の場合は8割ぐらいの力感で150キロ後半を出しているように見える。そのため、制球を重視したピッチングをしても、相手打者を制圧できるだけのポテンシャルを兼ね備えていた。このポテンシャルを考えると、水準レベルのシーズンを戦い抜く体力や投球術を身につけることが重要である。スラット、スプリットなどの早い球種をいつでも投げられるレベルにまで取得すれば、さらに伸びて球界トップクラスになれる逸材であることは間違いない。

 ポテンシャルをみても、日本だけではなくMLBでもトップクラスになれる器の投手である。実際の成績を見ても、2021年のシーズンで8月以降は、防御率御率1.22、奪三振率10.70と飛躍的に成績が向上した。さらに、平均球速が151キロから154キロに上昇し、球威、制球とも申し分ない域にまで達した。変化球の被打率も0割台を記録した。この時点で凄まじいパフォーマンスを見せた点を見ても、球界トップクラスのポテンシャルと言っていい。2022年のシーズンは、4月10日のオリックス戦で大記録を残した。それは28年ぶりの完全試合である。この試合では、13者連続三振や1試合19奪三振を記録。まさに、ポテンシャルが解放された瞬間でもあった。次の試合でも8回まで完全試合を記録しており、この時の佐々木のパフォーマンスはMLBでも通用するレベルだったに違いない。さらに、捕手の松川 虎生捕手(市立和歌山出身)との相性が抜群だ。松川のリードも追い風となり、佐々木はさらに打ちづらい投手になっただろう。8月は疲れが見えたものの、今シーズンは防御率2.02、9勝を記録。奪三振率は12.04・被打率.177と驚異的な数字を残した。高いパフォーマンスのピッチングの内容は既にメジャートップクラスの域にいる。そのため、体力さえついていければ、現在のオリックス・山本 由伸投手(都城高出身)ぐらいの成績又はそれ以上も期待できる投手だ。そして、ゆくゆくは歴代最高の投手になれると思っている。

 この佐々木や近年の他の投手を見ても、速い変化球が本格派から技巧派までトレンドから王道になってきていることがわかる。令和の野球を勝ち抜くには、勝てるピッチングの組み立てと、速い変化球を駆使したデータに勝るピッチングスタイルを確立していくことがポイントである。

(文=ゴジキ)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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