関東一、二松学舎大附が優勝筆頭格 11年ぶり優勝狙う帝京などに注目
トーナメント表
・東東京大会の組み合わせ
6月18日、東西東京大会の組み合わせが決まった。東東京大会は関東一、二松学舎大附、帝京、西東京大会は日大三、國學院久我山、東海大菅生がそれぞれ抜けた存在になっているが、序盤から好カードがあり、波乱の要素も十分にある組み合わせになった。
関東一の足VS日大豊山・狩野の肩

日大豊山・狩野光晴、関東一・井坪陽生
優勝候補の筆頭は、春季都大会優勝で関東大会準優勝の関東一だ。関東一は順当なら4回戦で日大豊山と対戦する。第97回大会の決勝戦のカードでもある。
日大豊山は強肩捕手の狩野光晴がチームを引っ張る。関東一は井坪陽生、柳瀬冬和ら俊足揃いだけに、関東一の足と狩野の肩の対決が注目だ。
関東一は5回戦で共栄学園と足立学園の勝者との対戦が有力だが、この試合も好カードだ。
またこのブロックには、都立小松川・都立新宿という都立の進学校の対戦もある。小松川は3年前の夏のシード校。新宿は今年の春季都大会で東海大高輪台を逆転で破っており、熱い戦いが期待される。
関東一と準々決勝で対戦するブロックは、都立城東がシードされた。この両校は秋季都大会の3回戦で対戦し、8-7で関東一が勝ったものの、大接戦を繰り広げた。しかし、両校が再度戦うには、越えるべき壁がある。
都立城東が4回戦に進んだ場合、対戦が予想されるのが明大中野だ。明大中野は大型投手の中村海斗、左腕の松田宗大ら力のある2年生投手がいるうえ、阿保快斗、加藤健太郎らの中心打線はパワーアップ。ノーシード校ではトップクラスの力があり、都立城東としても厳しい戦いが予想される。
修徳・都立雪谷 昨夏に続き再度激突か!?

都立雪谷・渡邊顕人
秋春の都大会準優勝の二松学舎大附は、比較的恵まれたブロックに入った。4回戦では伝統校の城西大城西、5回戦で対戦するブロックには、打線に力がある上野学園、昨夏の経験者が多く残る錦城学園、伝統校の日大一などが控えるが、二松学舎大附が優位であることは確かだ。
ただし、準々決勝で対戦するブロックは激戦区になっている。このブロックは修徳がシードされているが、初戦となる3回戦で都立雪谷との対戦が予想される。
修徳は昨夏も雪谷と初戦で対戦。修徳が勝ったものの、雪谷の渡邊顕人の好投もあり苦戦を強いられた。この夏も渡邊は健在。2年生の御園拓摩も将来性がある。修徳は佐藤大空の打棒に、長身の篠崎国忠、横手投げの竹澤尚輝という好投手おり、この夏も好ゲームが期待される。
このブロックには岩倉・都立文京という好カードもある。両チームとも打線に力ある。中日にドラフト1位で指名されたブライト健太の母校・葛飾野の戦いも注目だ。
[page_break:帝京に挑む実践学園・大森学園]帝京に挑む実践学園・大森学園

帝京・高橋蒼人
エース・高橋蒼人の成長と、強力打線で11年ぶりに聖地を目指す帝京の初戦の相手は実践学園が有力だ。実践学園は春季都大会で結局コールド負けしたものの、一時は二松学舎大附を追い詰めた。4回戦は大森学園と対戦する可能性が高い。
大森学園は昨夏のシード校で、2年生の二塁手・木下蘭亜らが帝京の投手陣にどこまで対抗できるか注目だ。帝京が5回戦で対戦するブロックには、都立江戸川、都立紅葉川といった下町の都立の強豪がいる。
帝京が準々決勝で対戦するブロックは、郁文館と堀越がシードされているが、郁文館の側には、強豪が集まった。まず初戦は東海大高輪台か駿台学園との対戦が予想される。
東海大高輪台は、粕谷祐天、宮路空夢など最速140キロ台の投手を擁する。郁文館の横手投げ、台湾からの留学生・姚柏宇の対決は注目だ。
勝者は4回戦で秋季都大会ベスト16の安田学園との対戦が予想される。もっとも安田学園は初戦で昨夏8強の淑徳との対戦が控えている。
堀越は初戦で豊南との対戦が有力だ。豊南の弓田悦彦監督は45年前に早稲田実の主戦投手として春夏の甲子園で準々決勝に進出している。堀越の小田川雅彦監督とのベテラン監督同士の対決も見どころになる。
日体大荏原は初戦で東亜学園と激突!?

日体大荏原・小金井凌生
トーナメント表を4分割して、3強のいない残りの1ブロックには、東京成徳大高、都立小山台、日体大荏原の3校がシードされている。そのうち、日体大荏原は初戦でいきなり東亜学園との対戦が有力だ。
日体大荏原の長身の横手投げ・小金井凌生、本格派の石井祥太の投手陣に東亜学園の打線がどう立ち向かうか注目の一戦になる。
都立小山台は初戦で成立学園、多摩大目黒、都立足立新田のいずれかとの対戦になる。都立足立新田なら、小山台の福嶋正信監督、足立新田の有馬信夫監督という、都立の高校野球の歴史を築いてきたベテラン指導者の対戦になる。
小山台と成立学園は、昨夏も3回戦で対戦し、この時は小山台がコールドで勝っている。この試合の勝者が5回戦で対戦するブロックには、昨夏8強の芝、都立高島などがいる。
また、東京実・都立大島も質の高い試合が期待される。東京成徳大高は、目黒日大、目白研心などとの戦いが予想される。
抜き出たチームがいないだけに、4強に向けての戦いは混戦模様。準決勝に向けていかに弾みのつく戦いができるかが、重要になる。
(文=大島 裕史)