大阪桐蔭優勝で幕を閉じた第94回センバツの「ドラフト的ベストナイン」を発表!!ガチでポテンシャルが凄い9人を選出
川原 嗣貴
トーナメント表
・浦和学院、近江などが属するブロック
・大阪桐蔭、國學院久我山などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ
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第94回選抜高校野球大会は大阪桐蔭の優勝で幕を閉じた。今回は恒例のベストナインを発表したい。こちらは、今大会の活躍度を対象に選出した「高校野球的なベストナイン」と、将来、ドラフト候補を選出した「ドラフト的ベストナイン」の2パターンを考えてみた。ドラフト的なものは23年度のドラフト対象となる2年生も加えた。
今回は「ドラフト的ベストナイン」。今季はドラフト候補のアピールが寂しいと呼ばれていたが、終わってみると、楽しみな野手が多かった。
第94回センバツの「ドラフト的ベストナイン」を発表!!
投手 川原 嗣貴 (大阪桐蔭)
捕手 高山維月(浦和学院)
一塁手 真鍋 慧(広島広陵)
二塁手 津田基(近江)
三塁手 小久保快栄(明秀学園日立)
遊撃手 金田優太(浦和学院)
外野手 黒田義信(九州国際大付)
外野手 内海優太(広島広陵)
外野手 海老根優大(大阪桐蔭)
川原の選出理由:今年、出場した投手の中では高い指名順位も期待できそうな投手と実感。188センチの長身を生かした角度と重量感を備えた140キロ中盤の直球は絶品。120キロ後半のフォーク、カットボールの切れ味も素晴らしく、高卒プロで育ててみたいと思わせる。
高山の選出理由:甲子園開幕戦でも本塁打を放つなどパワフルな打撃に強肩と、高校生捕手としては身体能力抜群の大型捕手として、ドラフト候補として推すべき選手として選出した。
真鍋の選出理由:敦賀気比(福井)戦の豪打を見て、打球速度がずば抜けている点。対応力も高く、改めてモノが違う。広島広陵(広島)はこういうスケール型の選手でも粗さがない選手が出てくる。逆にそれでなければ、広島広陵のレギュラーは取れないのだろう。
津田の選出理由:二塁手は他のポジションに比べて、スケール型の選手が集まりにくいため、やはり守備力、走塁が上手い選手が対象となる。その中だと近江の津田が非常にレベルが高かった。
小久保の選出理由:身長188センチにして、身のこなしが軽快すぎる。中学時代は遊撃手で、明秀学園日立(茨城)の金沢監督は大型遊撃手として育てたい構想はあったものの、三塁がしっかりとハマるということで三塁に抜擢した。スピーディーで、肩も強く、打者としても対応力が高く、パワフルなスイングで鋭い打球を放つ。1発こそなかったが、将来性は抜群だ。
金田の選出理由:全校が登場する1回戦まででは、ドラフト的にいえば、戸井零二内野手(天理)を挙げる声が多いと思う。最初は戸井と思っていたが、大会を通して見ると金田の凄さに気づく。広島広陵打線が苦労した軟投派の香西一希投手(3年=九州国際大付)に対応したかと思えば、山田陽翔投手(3年=近江)の高速変化球にも対応して、ヒットを量産。打撃フォームの完成度、コンタクト力の高さが群を抜いている。身長180センチ超えの左打ちの大型遊撃手で、これほど器用に打撃、守備をこなせる選手は見たことがない。
遊撃守備も抜群のスピードがあるわけではないが、基本に忠実に打球を処理して、深い位置からでも抜群のスローイングを見せる。投手としても準決勝の近江戦ではスクイズを許したが、とっさに追いつき、鮮やかなグラブトスと判断力の高さが違う。NPBはスケール型の選手が好まれる傾向にあるが、勘がよく、判断力の高い選手も生き残りやすい。金田はこのタイプにして、大型遊撃手なので、夏もいろんな投手のタイプに実績を重ねれば、楽しみだ。近年、プロ入りした巧打型の左打ち遊撃手と比べて見劣りするものは全くないと断言できる。
黒田の選出理由:広島広陵戦で4安打を記録するなど、右、左を問わず「自分の形」で強い打球を打って安打を量産できる打撃技術と当て勘の良さは素晴らしい。さらにベースランニングも速く、また内野から外野へコンバートされたこともあって、丁寧な守備ができる。スローイングも堅実で、走攻守三拍子揃った外野手だ。
海老根の選出理由:1校2人という縛りがあるので、大阪桐蔭は川原を確定として、松尾汐恩捕手(3年)にするか悩んだが、1回戦から活躍を見せている海老根にした。シートノックで見せる抜群の強肩もそうだが、1歩目の動きがかなり速い。やや高いネット裏の席から見ると分かるのだが、出足の速さがとんでもなく速く抜けそうと思った打球に追いついてしまう。打撃も準々決勝の圧巻の本塁打はもちろんだが、粘っこさが出でてきたのが成長点。上手く食らいついた打撃が他の選手は単打で終わる当たりが、長打になってしまう。この点が抜けている。
内海の選出理由:大型にして技術的な完成度が高いこと。トップに入ってから無駄のないスイングで内角をしっかりとさばけるスイングは非凡なものがあり、外野の守備を見ても強肩。見ていて楽しみな選手だった。
(文=河嶋 宗一)